「roboflowを見つけたときは、本当に目からウロコでした。その日 のうちに購入申請を出して、上司に直談判しました。」
── 開発担当 大倉豊大様(RUNTEC株式会社)
導入事例:株式会社川本鋼材様
現場の“数え間違い”をAIで解決。roboflow導入で実現した出荷精度の飛躍

お客様情報(川本鋼材株式会社様)
昭和20年創業、主に建設機械向けの部品メーカーへの販売を中心に事業を展開。素材の取り扱いだけでなく、集塵機などの産業設備の導入支援も行う技術系商社。
川本鋼材株式会社ホームページ:https://kawamoto-kozai.co.jp/
今回は開発を担当された川本鋼材様のグループ会社「RUNTEC株式会社」の代表取締役社長 大倉豊大様にお話しを伺いました。
RUNTEC株式会社ホームページ:https://run-tec.jp/
課題・導入の経緯
―― 導入前はどのような課題がありましたか?
最大の課題は、出荷本数の目視確認による数え間違い。誤出荷が発覚するのは、納品後の顧客からの指摘によることが多く、会社の信用に関わることが大きな問題となっていました。以前もAI系アプリを試しましたが、コスト・精度のバランスが悪く導入には至らず、根本的な解決には至りませんでした。
―― どのような目的でAI導入を検討されましたか?
ITによる人為的ミスの削減と、現場作業者の負荷軽減です。現場と経営層の双方から「なんとかできないか」との声が上がり、社内で本格的に画像AI導入の検討がスタートしました。
―― どのような経緯でroboflowを導入されましたか?
AI導入にあたり、まずはモデルの作成に取り掛かりました。角材など形状にばらつきがある素材では認識精度向上が難しく、アノテーション作業が煩雑となり進捗に時間が掛かりました。初期はOpenCVベースで自作しましたが精度不足で断念。GoogleのVision AIなども試しましたが、パソコンのスペック不足で思うように学習ができず、頓挫してしまいました。そんな中、あまり費用をかけずに学習データを集められるようなサイトがないか探していたところ、Roboflow Universe(公開データセット)を発見し、最終的にroboflowに到達しました。
roboflowを見つけたときは、本当に目からウロコでした。学習までのフローをシステムズナカシマさんのブログで拝見し、こんなに簡単にできるならと思いやってみたところ成功したので、その日のうちに購入申請を出して上司に直談判しました。すぐに承認をもらい、翌日にはシステムズナカシマさんにご相談させていただきました。

開発システムの概要
―― システムの概要について教えてください
画像AIモデルを活用し、出荷対象の丸材をカメラ映像上でリアルタイムに検出し、キャプチャして数量を確定するシステムです。(システム名:MOD VISION)対象物のデータ収集やアノテーションは自社で行い、学習データの作成にはroboflowを活用しました。現場にはiOSアプリとして提供し、出荷時の確認作業で利用しています。


上記でご紹介したリアルタイム鋼材検出システム「MOD VISION」
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導入効果
―― roboflowを実際に導入してどのような効果がありましたか?
roboflowの導入によりWeb上で手軽に学習と検証が可能になり、一気にアプリの精度と開発状況が進展しました。精度を高めたモデル作成が可能となり、現場でトライアル的に導入をしました。トライアル後、システムズナカシマさんにアドバイスをいただき、アプリのバージョンアップをした後、現場に本格導入しました。
現場へのアプリ導入後は、出荷本数の自動カウントにより、作業ミスが大幅に減少しました。現場の作業員からは「これはすごい」「本当に助かる」と非常に高い評価を得ています。

実際の作業の様子

カメラをかざすだけで簡単に数量をカウント
今後の展望
―― 今後の展望について教えてください。
検出対象を増やすため、現在もアノテーション作業を継続しています。今後は、より複雑な対象物(例えば角材など)の認識精度向上を目指しています。
今後の開発の参考として、サイト内にroboflowの事例や使い方の説明が多く掲載されたらうれしいです。