ベクタPDFをCADデータに変換する方法

建設業界をはじめ、業務において図面が大きな役割を果たす業界では、CADが多岐にわたって活躍しています。CADとはComputer Aided Designの頭文字を取った言葉であり、コンピューター支援設計の高度な機能を搭載したソフトです。従来の紙に作図を行っていく図面作成と比較すると、CADを用いた図面作成はPC上ですべての作業が完結するため、手間がかからず作業スペースを削減することが可能になりました。図面を保管する手間もかからなくなるため業務の効率が大幅に向上することに加えて、政府によるDX化推奨の材料としても、さまざまな分野で導入が進められているソフトです。CADを取り扱う上で、1つの問題となるのがベクタPDFの扱いです。

今回はCADを使用されている業者様に向けて、ベクタPDFをCADデータに変換する方法についてご紹介させていただきます。

前提として、PDFとは文字や図面などのデータについて、紙に印刷したようなレイアウトで保存するためのファイル形式の名称です。Portable Document Format（ポータブル・ドキュメント・フォーマット）の頭文字を取った言葉であり、PCやスマートフォンなどの異なる端末で開いた場合でも同じようなフォーマットで表示できることが特徴です。

そんなPDFファイルには、ラスタ、ベクタ、ハイブリッドという3つのタイプが存在しています。中でも、ベクタPDFは座標と座標を線でつなぐことで全体像が構成しているPDF形式を指しており、データの拡大・縮小などを行っても明瞭な状態を保てることが特徴です。この性質から図面のファイル形式としても利用しやすく、建設図面などに記載された寸法などの細かなデータが見えないという問題も解決できます。

ベクタPDFは図面の保管形式として便利なファイル形式ですが、CADではベクタPDFのデータをそのまま扱うことはできません。PDFは静的データであることに加えて状態が固定されたデータとなっているため、仮に図面を利用して新たな施工を行う場合でも、図面の修正などは行えません。過去の図面をスキャンして取り込み、図面を運用していく必要がある場合などに、これらの問題に直面するケースが多いでしょう。

そこで求められるのが、ベクタPDFからCADデータへの変換です。ベクタPDFからCADへの変換は可能であり、変換の手順も比較的難易度は高くありません。変換する際はいくつかの方法がありますが、まずはインターネット上などで使用できる無料の変換サイトを利用することが挙げられます。変換サイトでも変換自体は問題なく行えますが、セキュリティ面に懸念が残るため、業務に用いられるデータの変換にはあまり適していないと言えるでしょう。

そこで、他の手段として挙げられるのが、フリーソフトを使用した変換と有料ソフトを使用した変換です。以下では、それぞれのメリット・デメリットを詳細にご紹介させていただきます。

ベクタPDFの変換に無料で配布されているフリーソフトを使用するメリットとしてまず挙げられることは、コストを抑えられる点です。ベクタPDFの変換を行う頻度は、行っている業務内容などによって大きく変わってきます。中には一度変換を行う必要はあるが、日常の業務において変換機能を使用する場面はほとんどないという業者様もいらっしゃるでしょう。仮にそのようなケースにおいて有料ソフトを導入すると、コスト面で負担になってしまうはずです。フリーソフトであればコスト面の負担を抑えられることに加えて、使い心地が悪いと感じた場合は他のソフトに切り替えることもできます。

対してデメリットとして挙げられるのが、有料ソフトに比べて使い勝手が劣るケースが多いという点です。一定の頻度でベクタPDFからCADデータへの変換を行う必要がある場合にフリーソフトを使用すると、フラストレーションを感じる可能性があるので有料ソフトを検討してみてください。

ベクタPDFからCADデータへの変換に有料ソフトを使用するメリットとして挙げられるのが、機能性の高さです。変換ソフトに限らずさまざまな分野において共通して言えることですが、有料ソフトは無料ソフトに比べて基本的な性能が優れています。PDFの変換においても、有料ソフトは簡単な操作でスムーズな変換を行うことができることに加えて、変換後のファイル形式についても多種多様な選択肢が用意されています。特に他社との連携時にデータ共有を行う必要がある場合などにおいては、変換先の形式が豊富なことが業務の大きな助けになってくれるでしょう。

一方でデメリットとして挙げられることは、フリーソフトと比較してコストがかかる点です。導入後に継続的に使用していく予定がない場合に有料ソフトを購入することは、コストパフォーマンスという観点ではあまり好ましくありません。ただし、コストのみを判断要素にすべきではないため、導入時は使いやすさと費用面を考慮して、ニーズに合ったソフトの導入を検討してみてください。

ベクタPDFからCADデータへの変換をはじめ、さまざまなデータ形式の変換を行うために有料ソフトの導入を検討される際におすすめなのが、「VectorMasterPremium」です。VectorMasterPremiumは長年CADの開発を手掛けてきたシステムズナカシマがご提供しているCAD変換ソフトであり、有料ソフトならではの万全のサポート機能を備えています。PDFからCADデータへの変換はクリックするだけの簡単な操作で行うことができ、変換後のデータ形式もあらゆる形式に対応可能です。既存の紙図面から取り込んだ静的データをCADデータに変換すれば、これまでに手掛けられてきた数々の施工実績を今後の作業にご活用いただくことが可能です。

また、PDFからの変換だけでなく、CADデータの変換にも対応しているため、さまざまな変換を効率的に進められます。他社との共同施工における打ち合わせに際したデータ共有や、お客様への施工内容の説明時など、幅広い状況下に対応できる変換を行うことができます。

VectorMasterPremiumにご興味をお持ちいただけた際は、ぜひお気軽に資料をご請求ください。