土木工事においてボーリングマシンが使われる場面で活躍するCADの図面データとは

土木工事では、主に地面を対象としたさまざまな施工が行われています。一口に土木工事といっても行われる施工の種類は多岐にわたり、例えば同じ土木工事でも地面を建設に適した状態に整える造成工事と、水道を整える水道工事では施工内容が大きく異なります。

そんな多種多様な土木工事の現場に共通する特徴として挙げられるのが、幅広い場面において重機が活用されているという点です。土木工事の現場で活躍する重機には数多くの種類が存在しており、それぞれの異なる機能を生かして施工を大きくサポートしています。土木工事の現場において用いられる重機の中でも、特殊性の高い役割を果たしているものとして挙げられるのがボーリングマシンです。ボーリングマシンの運用は、CADの図面データと併用して行われることが多くなっています。

そこで今回は土木工事業界におけるボーリングマシンとCADの図面データについて、詳しくご紹介いたします。

まず前提として、ボーリングマシンという重機に関する基礎知識をご紹介させていただきます。ボーリングと聞くとボールを転がしてピンを倒す競技をイメージされる方も多いかもしれませんが、球技を指す表記はボウリングであり、ボーリングとは異なるものであると文部科学省に定義されています。

建設業界において行われるボーリングは、地質調査を目的に行われる掘削作業のことを指しており、ボーリングマシンはそのために用いられる重機を指した名称です。ボーリングは穴を穿つことを意味するboringという英語に由来する言葉で、ボーリングマシンは地面に向けて垂直に円筒状の穴を掘っていく作業を行います。

ボーリングマシンを用いる際には、まずやぐらと呼ばれる土台にマシンを設置します。やぐらへの固定が済むと先端のビットをドリルのように回転させ、地面を叩きながら地中深くへ穴を掘り進めていくのがこのマシンの機能です。掘削を行うロッドと呼ばれる管は内部が空洞になっており、送水によって摩擦を軽減しながら効率良く掘削が進められていきます。人力で地面の一点だけを深く掘ることは困難ですが、ボーリングマシンを使用することで狭い箇所を深く掘り、その地質を採取して調べることが可能です。

土木工事の現場でボーリングマシンが重用されるのは、土木工事の現場において地質調査が重要視されていることが背景にあります。私たち人間が安全な生活を送っていくためには、地面が安定していることが大前提となります。例えば、造成工事では地面を整えることで安全な建設が行える土地を確保し、道路工事では地面の安全性を確保した上で、その上に路面を敷いていくのが特徴です。

そんな各種土木工事を適切に行っていくためには、工事の現場となる地面の地質が安定していなければなりません。仮に建物の建設が予定されている土地が地質に大量の水分を含んでいると、地面の安定性が大きく低下することに加えて、建物の強度に問題が生じてしまいます。また、その他のケースにおいても地質調査は土木工事の要であることからも、土木工事を適切に進めていくためには、ボーリングマシンの存在が不可欠といえるでしょう。

ボーリングマシンを使用する際は、地中に干渉する重機であることを理解した上で運用していかなければなりません。ボーリングマシンで掘削を行うのは地面であるため、掘削の先にあるものを目視で確認することはできません。ここで注意すべきことは、地中に埋設されている水道管など各種配管にボーリングマシンが干渉してしまわないようにするということです。仮にボーリングマシンが地中の水道管やガス管に接触してしまえば、漏水やガス漏れ、その他のさまざまな深刻なトラブルが発生してしまう可能性があります。そのようなトラブルを避けるためにも、現場の図面を確認した上で位置関係を正しく把握し、慎重を期しながらボーリングマシンを運用することが大切になります。

建設現場において用いられる図面作成において、近年広く用いられているものがCADです。CADを用いて正確かつ高品質な図面を作成することによって、ボーリングマシンの運用を大きくサポートすることができます。

ボーリングマシンによって地質を確認することができた後は、地質調査によって得られた情報を下敷きにさまざまな土木工事が行われていきます。そのような各種土木工事の現場においても、図面はあらゆる作業の指針として重用されています。

土木工事は地面を対象に大規模な作業が行われていく作業という性質上、現場に携わるスタッフをはじめ、施工管理を行うスタッフでもなかなか全貌を掴むことが難しい施工です。土木工事の全体像を正しく把握し、スタッフ全員が共有して丁寧かつ質の高い施工を行っていくためには、正確かつ高品質な図面データの存在が必要不可欠になるといえるでしょう。土木工事業界では、ボーリングマシンの運用時はもちろん、その他さまざまな場面においてCADによって作成された図面データが広く活用されています。

CADはパソコン上で図面作成を完結させることができるソフトであり、図面の重要性が高い建設業界には欠かせない存在です。そんなCADの有用性に応じて、現在市場には数多くのCADソフトが出回っており、無料のフリーソフトから、有料の専門的なソフトまで多岐にわたります。

ここで問題になることが、CAD同士の互換性です。例えば、建設業者同士が共同で施工を行う際、1つの現場に関する図面データを共有しようとした際、導入しているCADが違うことでデータに互換性がなく、図面を共有できないケースがあります。CADには数多くの種類が存在しているにも関わらず、CAD同士のデータ形式に互換性がないことが多いため、このようなデータ形式の問題がCADを活用するあらゆる業種のネックになりがちです。

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