電気CADってどんなソフト?比較と正しい選び方について

電気工事や電気設備設計を手掛けている企業にとって、工事の設計に欠かせない図面作成をより効率的に進めるためのツール、CADソフトは心強い存在ではないでしょうか。世の中にある多くのCADソフトは、電気工事の図面作図にも対応しているものが多いですが、そのソフトによってはそれぞれ異なる特徴があります。それは機能性だけでなく価格や対応範囲など、多岐にわたり、メリットやデメリットもそれぞれです。そのため、実際にはどのソフトを選ぶべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電気CADソフトの特徴や用途に合った正しい選び方についてお伝えしてまいります。
電気CADってどんなソフト?
まずはじめに電気CADソフトとは、電気工事の単線接続図、屋内配線図、系統図などといった電気回路の設計や図面作成を支援するために開発された、電気工事専用のソフトウェアのことです。
例えば、電気配線、設備、照明などを表す図面記号と電気配線専用コマンドも備わっており、特に設計作業においては大きな力を発揮します。しかし、こうした電気工事専用のCADソフトはまだそれほど多くは開発されておらず、CADの一つの機能として備えられていたり、汎用CADソフトで代用したりすることも多いのが現状です。
汎用ソフトは本来機械・建築・土木業界で活用するために開発されたものであるため、専用CADよりも機能性が劣る場合もあります。
電気CADソフトにおける汎用CAD・専用CADを比較
電気工事における各種事務作業のサポートには、CADソフトが大きく役立ちます。CADは従来であれば紙図面に行われていた作図をPC内のデジタル環境で完結できることが最大の魅力ですが、導入を検討する際は汎用CADの専用CADのどちらを選択するか迷われている方も多くいらっしゃると思います。ここからは、汎用CADと専用CADのメリット・デメリットをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
汎用CADのメリット・デメリット
電気工事をはじめとする各種建設業界では、無料でダウンロードできる汎用CADが幅広く活用されています。例えば、住宅の建設を行う場合、図面作成は汎用CADの機能でも対応することができます。また、電気工事についても、汎用CADを使って作図を行うことが可能です。
汎用CADの最大のメリットとして挙げられるのは、無料の汎用CADの場合は導入時に費用がかからないという点です。デジタルツールであるCADは、PCでの作業に不安がある方やこれまでにCADに触れたことがない方は、導入後に使いこなすことができないかもしれないという不安があると思います。その点、汎用CADは無料で導入できるソフトが多く存在するため、万が一使いこなすことができなかった場合でも、無駄なコストが発生する心配がありません。
一方デメリットとしては、電気工事に最適化されている専用CADではないため、機能面において不十分に感じることが多いです。特にデジタルツールの扱いに慣れていない方の場合、汎用CADで特定の専門分野の業務効率化を図ることは難しい可能性があります。
専用CADのメリット・デメリット
電気工事に特化した専用CADのメリットとしては、電気工事における業務効率化を図るために最適化されたソフトであるいう点が挙げられます。電気工事における図面作成などを効率化するために各種性能が練り込まれており、手間のかかる作業をソフトが強力にサポートしてくれるため、スムーズな図面作成を行うことが可能です。例えば、複雑な図面記号などもCADの内部に記録されているため、都度思い出す必要もなく、使用したい記号等を選択するだけで作図を行えます。専用CADを使えば図面作成の時間を大幅に短縮し、スタッフ全体の負担を軽減することが可能です。
一方、専用CADは有償であることが多く、仮に有料の場合は導入時・利用時にコストが発生します。そのため、CAD初心者の方にとっては導入するために費用を支払わなければならないという点が、専用CADを導入する際のネックになってしまうかもしれません。汎用CADに比べると、操作面では専用CADが圧倒的に扱いやすいと言えますが、コスト面などでは汎用CADに強みがあると言えます。
汎用CADと専用CADの違い
ご紹介させていただいた汎用CADと専用CADのメリット・デメリットをまとめると、明確な違いはコストと機能の特化性であると言えます。
汎用CADは無料で使えるものが多く、建設や電気工事などの幅広い分野で利用可能です。導入時のコストがかからないため、初めてCADを使用する方が気軽に試しやすいというメリットがあります。一方で、無料の汎用CADは使用できる機能が限定的であるため、電気工事のような専門的な図面作成などにおける大幅な業務効率化を図ることが難しいです。
対して特定の業種の特化した専用CADは、有償であることが一般的ですが、図面記号の搭載や自動作図などの業務効率化を支える機能が備わっており、操作性も優れています。CADの導入を検討する場合は、予算や業務内容に適したソフトを選択することが大切です。
有料の電気CADを使うメリット
電気CADは有料か無料かどうかにかかわらず、自社が使いやすいものや、使用用途に合わせたソフトを選ぶことが大切です。それでもやはり、有料電気CADを使用する上でのメリットについては気になるところではないでしょうか。
有料の電気CADは、無料のソフトよりも初期費用がかかるため、ソフト導入の際にはよく検討を重ねなければなりません。そのため、コストだけを見れば無料CADソフトの方が取り入れやすく魅力的ですが、有料ソフトはコストがかかる分、優れた機能性や専門性の高さがあるという点が魅力です。
また、有料ソフトではなんといっても、サポート体制が整っているので万一トラブルが生じた場合、もしくは、使用方法が分からない場合でも電話やメール、LINE、現地レクチャー、リモート操作などで、迅速なサポートを受けられるという大きなメリットもあります。
無料ソフトの場合、CADの使用は自己責任で行わなければならないものがほとんどであるため、何か困ったことがあっても自分で調べたり、サポート先や不足している機能のサービスを探したりする必要が出てくるでしょう。無料ソフトにおける手間などを想定すると、業務への影響を最小限にしスムーズに利用できるという観点からも、有料電気CADのメリットは非常に大きいといえます。
電気CADソフトの選び方をチェック
電気CADソフトと一口に言っても、専用CADとしてリリースされているソフトは数多く存在しています。導入後に後悔をしないためにも、目的・用途に合ったソフトを選ぶことが大切です。以下の項目では、電気工事に特化したCADソフトの選び方をご紹介いたしますので、導入前の参考にしてください。
業務内容に合ったCADソフトを選ぶ
まずチェックしたいことは、導入を検討している電気CADソフトがどういった電気工事における運用を前提としているかという点です。
電気工事には数多くの分野があり、CADソフトの設計ごとに得意としている施工内容は異なります。例えば、一般的な電気工事に特化したソフトと、空調設備に関する電気工事を行うためのソフトでは、搭載されている機能やサポート機能が細かく異なっているため、必ず自社の業務に適したものを選ぶことが大切です。
CADソフトの製品紹介サイトを見ると、スペックの記載ページなどに対応している施工内容が細かく記載されているため、入念にチェックしておきましょう。仮に目的・用途にマッチしていないCADソフトを導入してしまうと、コストが無駄になったり、希望していない機能が搭載されている可能性があります。
導入前に操作性を確認する
CADソフトを数多く見比べていると、比較対象が搭載されている機能のみに偏ってしまい、導入後の操作性まで確認できないケースがあります。しかし、CADソフトは製品が異なると操作性も細かく異なるため、仮に操作性が合わなかった場合は導入後の業務に大きな支障をきたします。そのため、CADを導入する際は必ず導入前に操作性を確認しておきましょう。
有償で提供されている専用CADの場合は、デモ版などで操作性を試せることが多いため、自社の業務にマッチしているCADソフトをいくつかピックアップし、必ずそれぞれの操作性を確認した後に導入を検討することが大切です。
導入後のサポート有無を確認する
有料のCADソフトは、基本的にメーカーからのサポートが用意されている場合が多いです。先ほどもご紹介いたしましたが、メーカーからのサポートの有無は非常に重要なチェックポイントです。
CADは高度な業務をサポートしてくれるソフトであり、業務内容が複雑なため、使い方がわからなくなってしまうケースも少なくありません。導入後のサポート有無・範囲はメーカーによって異なるため、仮に導入後にソフトのサポートがないことに気付いてしまうと、ランニングコストが無駄になってしまうため、必ず事前にサポートの有無を確認しておきましょう。
有料CADソフトか無料CADソフトかを検討する
今回ご紹介させていただいたさまざまな要素を鑑みて、無料CADソフトか有料CADソフトの導入を検討すると、ニーズに合った製品を有効活用できる可能性が高いです。
無料CADソフトは、コスト面のリスクがないことが最大のメリットです。しかし、コスト以外の面においては電気工事に最適化されているわけではないため、性能や機能における不自由さや不十分さを感じてしまう場面が多いでしょう。
有料CADソフトについては、チェックしておくべき点を念頭に入れた上で最適なソフトを選ぶことができれば、電気工事などの専門分野で発生するさまざま業務の効率化を図るツールとして大いに活躍してくれます。電気工事に特化したCADを導入したい場合は、有料の専用CADの導入をおすすめします。
手間を最大限に削減できる電気設備CADシステム「電匠NX」
有料電気CADの導入をご検討の皆様におすすめなのが、システムズナカシマが提供している「電匠NX」です。電匠NXは、電気工事全般や電気設備工事に特化したCADとして開発された電気CADシステムです。すべての操作はワンクリック操作のみで進められるようにさまざまな自動機能が備わっています。
例えば、図面を作成する場合マウス操作で設備の電気記号や配線の設置をしていくだけであっという間に作成ができます。これまで、汎用CADや手書きの図面作成において費やしていた多くの時間を、他の作業に充てることもできるので作業効率は格段に上がるといえるでしょう。
さらに当システムの魅力は、手軽さや操作性の良さだけにとどまりません。精度の高い電気図面が完成するよう、細部までこだわりを持って開発されたCADであるため、どなたが作成しても質の良い仕上がりをご期待いただけるでしょう。また、製図だけでなく申請書、請求書、見積書などの書類作成や積算業務も自動化(※別途システム連携が必要)していますので、不慣れな方やCADを初めて使用するという方でもスムーズに使用できます。
失敗しない電気CADの導入をお考えの方は、ぜひ「電匠NX」をご検討ください。オンライン商談やお見積りも常時承っていますので、よろしければ詳細ページをご覧ください。
