公共工事とは？民間工事と何が違う？【水道工事編】

毎日のように各地で行われている工事の中には、公共工事と民間工事という区分が存在しています。日々の仕事で各種工事に携わっている人にとっては日常的に聞くことの多い言葉ですが、公共工事と民間工事は何が違うのかご存じでしょうか。水道工事の現場で働いている場合には、公共工事と民間工事の違いについて知っておくとより仕事への理解を深めることができます。

そこで今回は、それぞれの工事の違いについて、詳しくご紹介いたします。水道工事に携わっている方や、公共工事や民間工事について理解を深めたいという方の参考になれば幸いです。

公共工事と民間工事の違いについて知るためにも、まずはそれぞれの正確な定義をチェックしてみましょう。

公共工事とは、国や都道府県、市町村によって税金を用いて発注される工事の総称です。インフラ整備に関わるような公共性の高い工事がほとんどを占めており、水道工事の多くも公共工事に含まれています。また、公共工事は雇用を生み出す役割も担っているため、安定して定期的に発生することも特徴の1つです。他にも、公共性のある工事を請け負う業者は建設業法の第27条23項において、国土交通省令で定めるところによって審査を受けなければならないとされています。請負金額などについても規定が定められており、民間工事と比べると細かな条件が多い工事だと言えるでしょう。

一方、民間工事は公共工事以外の全ての工事を指す言葉です。発注者は個人や民間企業となっており、税金が用いられる公共工事とは違い、個人や企業それぞれによって資金の調達が行われる点が特徴です。水道工事においては、自治体の管理下にある部分以外の水道に関する工事が民間工事として行われています。

水道工事において、公共工事が行われる際の流れを見てみましょう。

公共工事で最初に行われるのは、国や自治体による工事の企画立案です。公共工事は税金によって行われるものであり、工事を発注する前に国であれば国会、地方自治体であれば地方議会での承認を得なければなりません。承認を得て予算の見通しが立った段階で、担当者が発注の条件をまとめ終えると、企画から基本設計の段階へと移行します。
基本設計においては基本設計図書の作成、施工にかかる費用の概算を出し、工期の目安を立てていく作業が行われます。この内容を土台として作成されるのが、工事に関わる細かな計画である実施設計です。
そして、積算と呼ばれる工程によって価格を決定した後、発注する公共工事の内容が公告によって公開されます。この工事を請け負うことを希望する業者が集まって入札を終えることで、ようやく公共工事の詳細が決定付けられます。

公共工事にはさまざまな種類が存在していますが、水道工事は「水道法」によってルールが厳しく管理されています。

水道は社会を支える重要なインフラであり、飲料水や生活用水を供給する役割を担っています。仮に給水装置に使用された配管が基準を満たさないものであれば、内部が老朽化して、人々が飲む水に異物などが混入してしまうかもしれません。また、万が一水道本管と繋がっている配管に不備があれば、都市全体の水道設備に不具合が生じてしまう可能性もあります。そのため、水道法では水道工事を行う業者についての厳しいルールが定められており、これを満たさない業者は公共の水道工事を行えません。

水道に関わる公共工事を行う業者には、さまざまな工事書類の提出が義務付けられています。提出書類は主に工事に関する図面と各種申請書類であり、実施する工事の種類ごとに必要な申請書類を確かめなければなりません。

例えば、給水装置に関する工事の場合は、給水装置新設工事申込書、給水装置新設工事施工申請書、給水装置工事設計審査申請書の提出が必要となります。さらに、水道使用届や工事用材料検査申請書、位置図、工事図面なども作成して提出する必要があるため、非常に手間のかかる作業です。

また、排水工事の場合も排水設備工事計画確認申請書、排水設備等設置同意書、水洗便所改造同意書などの書類と、工事に関する図面の提出が求められます。加えてどの工事においても、道路の掘削が伴う場合には道路工事施行承認書、道路占用許可申請書、道路使用許可申請書などの提出が必要になります。

このように提出する書類の種類がとても多く、さらに各自治体ごとに書類の種類や仕様が異なるため、公共工事に携わる際には注意しなければいけません。

水道工事において提出書類や図面を作成することは、多くの時間を要する作業です。しかし、高品質な水道工事を実現するには正確な図面と適切な申請が必須であるため、事務作業をより効率的に進めたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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さらに、全国の市町村の水道工事に関するデータも網羅されているため、提出書類の作成時に自治体ごとのデータや仕様を調べ直す手間がなくなります。他CADソフトで作成されたデータと連動させたり、紙の図面を読み込んだりすることもできるため、今までの業務スタイルを変えることなく導入していただける点も「ANDES水匠for本管」の魅力です。
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