お客様のご要望に合わせて構築した拾い出しシステムの開発事例

拾い出しとは
拾い出しとは、主に建設工事の工事費の積算の前工程として設計図面から機器や配線、配管などの部材数量を算出する作業のことです。部材数量の拾い出しは、工事受注後の利益にも大きく影響するため細かく正確な作業が求められます。そのため熟練の作業員が時間を掛けて行う事が多く、積算業務の作業のうち6~7割りが拾い出し作業に費やされていると言うことも多くあります。この拾い出しと言う作業は、建設業だけではなく他の多くの業種でも行われています。ここでは、システムズナカシマが関わってきた様々な業種の拾い出し作業改善事例をご紹介します。
材料拾い出し、材料集計作業
AIの画像認識を用いた自動拾い
特許第6775624号
AIの画像認識を用いた自動拾い
AI画像認識の技術を活かして図面内から事前に学習させた要素を自動的に拾い出してくる技術。拾い出しを行った要素ごとに認識率を出し、拾い間違いなども確認できます。また、傍記など要素に付随する物も紐づけて拾い出すことが出来る為、同形状ではあるが傍記にて差別化される要素についても分けて拾い出すことが可能です。また、ベクトル要素で構成された要素であれば画像認識技術ではなくベクトルの配列パターンによる要素認識で拾い出しを行う事もでき、高精度の拾い出しが可能になります。システムズナカシマでは、お客様のご要望に合わせて最適な拾いシステムの提案が行えるノウハウを持っています。

CASE01建具の拾い出し&文字テキスト変換システム

お客様からのご要望
図面上にある建具をAIで認識・識別・抽出し、且つ図面上の文字列も識別し、テキストに自動変換させたい。
画像認識図面から建具と建具記号を紐づけて拾い出し & OCRで画像をテキスト化
図面内の建具をAIが自動認識し拾い出すシステム。建具の数量をカウントすると共に検出した画像にOCRを実行することで建具記号の中の文字列をデータ化し紐づけて拾い出しが可能。建具の場合、壁線などと見分けがつきづらく人の目以外での認識が難しいですが、建具記号など付随する情報を認識させることで拾い出しを可能にしました。また、画像要素内のOCRにより文字入力などの手間も省き、建具の拾い出し業務の効率化に大きく貢献します。
システムの流れ
  • ① 図面上(ラスター図面・画像)から見積に必要となる建具の情報をAIで識別
  • ② ドアなどの図形をAIで学習し、どこに・何が・いくつあるかを識別する
  • ③ Roboflowを利用し学習データを整備
  • ④ 図形だけでなく、図面上の文字列も識別しOCRにてテキストに変換する
  • ⑤ 図形の形状に関する情報と、文字列情報から必要となる情報をExcelに出力
図面内の文字と建具を認識
OCR用の画像を生成
OCRで画像から文字列抽出
部材と文字列情報を出力

CASE02図面要素の漏れや変更点を認識する比較システム

お客様からのご要望
設計部から施工部やプラン部などに図面が渡った際に、変更などで図面差異が発生し必要な部材の漏れや配置方向の違いが発生する。現状、目視での確認を行っているが非常に効率が悪いためシステムにて部材拾いと比較を実施し効率化を図りたい。
図面重ねと物体検出技術により変更箇所の把握と漏れを検出
各部門から上がってくる図面の差異を確認するため図面内の通り芯を重ね合わせて差異がある部分を色を変えて表示し可視化。 ドアや窓などの建具の数量や開閉方向は、ベクトル配列を認識し差異が無いかを検知。その他、重要な部材の漏れを比較検知できる機能を搭載、比較結果はCADデータに出力し目視確認が出来る様に構築。人が行ってきた作業の7割をシステム側で実行できるようになり大幅な工数削減に繋がった。
システムの流れ
  • ① 各部門から上がってくる図面データを取り込み
  • ② 通り芯を基準に図面を重ね合わせて差異をシステムが検知
  • ③ 建具等の数量をカウントすると共に開閉方向の差異なども自動検知
  • ④ 比較図面をCADデータに出力し目視確認を行う
通り芯を基準に図面を重ねる
差異がある箇所を色で明示
建具の開閉方向などを検知
判定結果をCADデータ出力

CASE03機械装置構築における計器類の自動拾い出しシステム

お客様からのご要望
各種様々な装置を構築する際に計測部品など多くの計器を利用します。設計から製造部門への情報伝達を行う際に図面だけではなく計器類などの数量なども併せて共有することで業務スピードの向上に繋げたい。
計装図の変量記号を認識し計器情報を取得し型式や数量を自動で拾い出し
計装図内には各種計器類の接続情報が含まれており変量記号にて使用計器の判別が可能なため、計装図内の変量記号をAIが判定、画像形式とベクトル形式の図面が混在している為、画像認識+OCRとベクトル文字解析の両アプローチを可能とした。図面を解析し拾い出しを行った情報はEXCEL表に出力、また複数図面を跨いで拾い出しを行うため図面番号なども紐づけて出力を行った。
システムの流れ
  • ① 計装図を読み込み、ベクトル or 画像(ラスタ)を判定
  • ② 図面形式に合わせた自動拾い出しを実施
  • ③ 複数図面ある場合は、①②の流れで継続して拾い出し
  • ④ 最終的に集約された拾い出し結果をEXCELデータに出力
計装図を読み込み
変量記号を認識し拾い出し
複数図面の場合、継続拾い
集計結果をEXCEL出力

CASE04電気工事 照明器具自動拾い出しシステム

お客様からのご要望
図面台帳の中にある照明器具姿図と平面図上にある照明機器を紐づけて拾い出しを行うのが手間なため、図面台帳の照明器具姿図から使用部材を認識させた上で平面図上の拾いをさせることで拾い作業と紐づけ作業を効率化したい。
照明器具姿図の部材情報を読み取り、部材に紐づけて拾い出し
照明器具姿図一覧表から部材の文字情報を取得し部材の仕様を認識、画像(ラスタ)の場合はOCRを掛けてテキストを認識。平面図上からAI画像認識により照明機器を数量を拾い出し、次に各部屋に記載されたしていた照明機器記号を認識させることで、前工程で準備した照明機器一覧の中から特定な部材と紐づけて個々の数量を把握できる仕組み。
システムの流れ
  • ① 図面台帳の照明器具姿図を認識し各部材の仕様を把握
  • ② 平面図上から画像認識により各照明機器の数量を拾い出し
  • ③ 平面図内の各部屋の照明機器記号を読み取り①と紐づけ
  • ④ 拾い出し結果をEXCELデータ出力
照明姿図から仕様を確認
照明機器を自動拾い出し
記号を認識し仕様と紐づけ
集計結果をEXCEL出力

CASE05部品図自動作図と部材拾い出しシステム

お客様からのご要望
顧客から提示される設計資料(紙ベース)を元に製造する部品の提案図と製造の際に必要となる材料の拾い出しを行っており、提案図の修正などもあるため都度作図と材料の拾いに膨大な工数が掛かってしまう。部品パターンが決まっている為、作図と拾いを自動化したい。
パラメータ入力による自動設計と使用材料の自動拾いができるシステムを構築
製造する部品数が数点で、高さや長さ加工箇所数の違いなどある物のパターンがある程度決まっていたためパラメータ入力による自動設計システムの構築を提案。部品設計図を自動作図すると共に加工指示書、材料表も同時に出力することで作図・拾い出し業務の効率化に繋がると共に営業から製造部門への指示工程の簡略化にもつながった。
システムの流れ
  • ① 基本部品形状を選択肢、設計資料を元にパラメータ入力
  • ② 自動作図され提案図に自動配置(配置後の手動調整も可能)
  • ③ 自動作図情報を元に加工指示書と材料表を出力
  • ④ 出力情報を元に見積もり作成と顧客提案を実施
設計資料を元に数値情報入力
パラメータを元に提案図を自動作図
使用する部材を自動拾い出し
材料表と加工指示書を出力

CASE06単線結線図から文字情報拾い出しシステム

お客様からのご要望
現在、図面上から手作業で制御機器の個数を拾い出しその後、詳細な情報に入力し直して必要な材料表を作っているが手間がかかる。 単線結線図に記載されている制御器具の文字列情報を抽出し、別途用意したマスタと照らし合わせて詳細な仕様含めて数量を拾い出したい。
ベクトル情報を持った図面から図面から文字列抽出しマスタと照合して拾い出し
取り扱い図面の大半が、ベクタ情報を保持したCADデータまたはPDFデータであったため図面内から文字情報を抽出し、別途用意した部材マスタと照合させることで詳細名称や規格なども併せて拾い出せるように開発を行った。画像から図形を認識して拾い出しを行うのではなく文字情報を拾い出す事で、照合や検索など他システムとの連携を行いやすくした。
システムの流れ
  • ① 部材を拾い出したい単線結線図を読み込み
  • ② 制御機器に紐づく文字列を拾い出し、抽出を行う
  • ③ 部材マスタと照合し詳細名称や規格で材料表を作成
  • ④ 拾い出し結果をEXCELデータ出力
ベクタPDFデータ読み込み
単線結線図から制御器具を抽出
マスタと照合し詳細紐づけ
集計結果をEXCEL出力
図面上の機器をAIが認識し自動拾い出し
長年培ってきた建設業の業務ノウハウとCAD開発技術を活かして開発した材料拾い出しシステムです。AI画像解析技術を掛け合わせることで更なる拾い出し作業工数の削減に貢献します。本サイトでご紹介した拾い出しシステムは、「拾いの匠AI」をベースに開発しています。ご興味ある方は、こちらも併せてご覧ください。
図面上の機器をAIが認識し自動拾い出し「拾いの匠AI」

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