電気工事士必見!V2H機器の設置に伴う電気工事の概要

電気工事士として活躍するためには、多種多様な電気工事に関する知識を身につけておく必要があります。以前から行われている基本的な施工だけでなく、新しい技術に関連した電気工事に対応していくことで、活躍の幅を広げることができるでしょう。
そんな中で知っておきたい施工の1つに挙げられるものが、V2H機器に関する施工です。V2HとはVehicle to Homeの頭文字を取った略称であり、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)に自宅で充電を行うだけでなく、バッテリーを蓄電池として利用するための設備です。近年、大きな注目が高まっているV2Hに関する施工技術と知識を習得すれば、より優れた電気工事士としてスキルアップできます。
今回の記事はV2H機器の設置に伴う電気工事の概要について、詳しくご紹介いたします。
電気工事で設置されるV2H機器とは
電気工事によって設置されるV2Hは、上述の通り電気自動車のバッテリーを蓄電池として利用することを可能にする設備です。近年は太陽光発電などと連動させながら、蓄電池を自宅で運用されているご家庭も増えています。太陽光発電と蓄電池は非常に相性が良く、相乗効果を生みながら優れた性能を発揮することが可能になる組み合わせです。
太陽光発電は自然エネルギーである太陽光をパネルで受けて、そのエネルギーを電気に変換するという仕組みの設備です。しかし、太陽光によって発電するという仕組みであることに加えて、太陽が出ていない夜間や雨の日、曇りの日には発電することができないという弱点がありました。蓄電池があれば太陽光発電で得た電気を蓄電池に貯めて、発電できない時間は蓄電池の中の電気を使うという運用が可能になります。そのため、電気会社から電気の供給を受けることなく、自家発電だけで使用電力を賄うこともできます。
太陽光発電と蓄電池は強力な組み合わせですが、ネックとなるのがコスト面の問題です。太陽光発電と蓄電池はいずれも高額な設備であり、同時に導入しようとすると、非常に高額な費用が必要になってしまいます。
そこで注目されているのが、電気自動車のバッテリーを蓄電池として利用するという方法です。自動車を普段から利用されている方は、買い替えのタイミングなどで電気自動車に乗り換える選択肢を選ぶことで、内部に備えられているバッテリーを蓄電池として使うことができます。
V2H機器の重要性
V2H機器は、家から車への充電を可能にし、車への蓄電も可能にするという2つの役割を備えています。まず、V2Hの大きな特徴として挙げられるのは、自宅の交流電力を直流へ変換する機能を備えているという点です。
電気自動車に充電するためには直流でなければいけませんが、V2Hがあればその問題点を解消することができます。この機能のおかげで充電時間を短縮し、電力の損失を少なくすることが可能な点が魅力の1つと言えるでしょう。その逆も同様に直流から交流へ変換を行うことによって、蓄電池内部の電気をそのまま家庭用電力として利用できることも魅力です。
また、電気自動車に搭載されているバッテリーは、一般的な家庭用蓄電池と比べて非常に容量が大きいことが特徴です。そのため、V2Hを介して蓄電池として利用すれば、その容量を存分に生かしていくことが可能になります。太陽光発電と連動させることで、電気代を使うことなく電気自動車に充電できることに加えて、太陽光発電の余剰電力も貯めて利用できます。
V2H機器の電気工事の施工内容
V2Hの設置について、大まかな流れを見てみましょう。まず、電気の契約内容がV2Hを利用できるアンペア数を満たしているかを確認しておくことを前提に、太陽光発電設備が設置されていない場合は設置を優先的に行います。
続いて、V2H本体から電力切替盤、屋内分電盤へ配線を繋げていきます。分電盤に配線を繋げる作業を行う際は、一時的に停電が起こるという点に注意が必要です。
次に安全を確保しつつ制御を行いやすくするため、V2Hに対応したブレーカーを設置した上で、V2H本体の設置に移行していきます。事前調査で決めておいた設置場所にV2H本体を設置しますが、場所によっては基礎土台が必要になるケースがあることを覚えておきましょう。
V2H本体への配線工事が完了後、スマートフォンで管理できるように無線LANの整備などを行い、動作確認を終えたところで一連の施工が完了となります。
V2H機器の設置工事におけるCADの活用
V2Hの施工の流れを見るとわかるように、設置の際は電力切替盤、屋内分電盤などに配線を繋ぐ作業が行われます。屋内で配線を通す際は、配線が表に出ないように壁や天井の裏を通すことが望ましいことを踏まえると、施工前は配線図などの作成が必須となります。既存の配線やその他の水道管、ガス管などに干渉してしまわないように施工を進めていくためには、建物内部の構造を正確に把握しておかなければなりません。
そんな図面作成を行う際に役立ってくれるものがCADです。電気工事に関する図面を紙に作成しようとすると線のズレや誤記など、さまざまなミスのリスクが生じてしまいます。また、紙図面は保管・運用に手間がかかりますが、パソコン内部で作業を完結させられるCADであれば、手間を大きく削減することが可能です。V2H機器を設置する際は複雑な工程が必要になるため、CADによる図面作成が大いに役立ちます。
多種多様な電気工事の現場で役立つ「電匠NX」とは
電匠NXは長年CADの開発に携わってきた弊社のノウハウを生かし、電気工事に役立つ機能を余すところなく搭載した、電気工事専用CADです。電気工事の図面作成には、多種多様な図面記号を用いる必要がありますが、電匠NXには多くの図面記号が網羅されており、選択するだけで利用できます。配線図を書く際に線のブレなどが生じてしまうリスクもなく、より正確な図面を短時間で作成することが可能になります。
電匠NXには業界初の機能としてAIが搭載されており、AIが部屋情報を認識して自動的に配線を最適化してくれることも大きな特徴です。
また、上記以外にも電気工事に関する事務業務を幅広くサポートする機能が備わっているため、業務を大きく効率化することができます。CADは操作が難しそうなイメージがありますが、電匠NX操作性にも優れており、初心者の方でも快適にご使用いただけます。電匠NXの導入をご検討いただける際は、お気軽に弊社へ資料をご請求ください。
#電気工事 #v2h
