水道工事に関わる図面とは？‐給水編‐

水道工事である清潔な水を供給するための給水設備工事や、使い終えた水を排出するための排水設備工事には、図面の作成が欠かせません。道路の下に埋設されている水道本管から住宅へ水を引き込むためには地面を掘削する必要があり、現場の地形や地質、管の状態などに適した図面を作り、それをもとに作業を行わなければなりません。また、水道工事を行う際には図面の提出が必要なケースがあります。

今回は、水道工事のうち給水設備に関わる工事をピックアップして、図面の重要性を見ていきましょう。

水道工事の中でも給水設備に関わる工事の大きな特徴は、自治体への申請が必要だということです。

給水設備とは、道路に埋設されている排水管の分岐部から屋内の蛇口までの経路を指した言葉であり、屋内にあるにも関わらず、DIYなどで工事を行うことが許されていません。また、水道管だけでなく必要に応じて水を止めるための止水栓や、水の使用量を図るための水道メーターなども給水設備に含まれます。

給水設備の申請に関するルールが厳しく定められているのは、給水設備と水道本管が必ず繋がっていることが理由です。水道本管は都市に水を巡らせるための大動脈であり、道路の下などに埋設された公共のライフラインです。もしも、水道本管と繋がった管に不適切な材質などを使用してしまい、不衛生な状態になったり詰まりが起きたりしてしまうと、その悪影響が水道本管にまで及びかねません。そのため、給水設備の工事には自治体ごとに細かな規定が定められており、自治体が申請を受けることで条件を満たした工事が行われるよう管理されています。

自治体ごとのルールは水道法に則る形で定められており、基準に沿って選ばれた指定工事店のみが工事の申請を行い、許可を得ることができます。申請が必要とされる給水設備工事は、大きく分けて4種類です。

【新設工事】新たな給水設備の設置を行う工事であり、新築の住宅に水道を開通させる際などに行われます。
【改造工事】給水管を延長する場合や、管の口径・水栓の追加などを行う場合の工事であり、改築や間取りの変更に際して行われるケースが多いです。
【撤去工事】給水設備を取り除くための工事。
【修繕工事】破損を治すための工事。

これらの工事は全て申請が必要です。

給水平面図とは、予定している水道管の形状を間取り図のように真上から見た形で図に起こしたものです。配管がどのように位置するかを一目で確認することができ、汎用性が高いため、多くの工事において利用されています。

水道工事で作成される平面図には、建築平面、給水用具の位置、給水管の種類・口径・寸法など、さまざまな情報が記載されており、工事全体を把握するための重要な情報になります。水道工事の基本となる図面であることから、正確に施工を進めるためには欠かせない存在と言えるでしょう。

給水立面図は、横から見た構図で工事を図示したものであり、水道工事において平面図だけでは不十分である情報を補足するために作成されます。水道工事は地中や建物内に管を通す場面が多いため、水道管以外を避けるように配置していかなければなりません。電気系統やガス管などに干渉しないように水道を構築していくために、水道の構造をさまざまな角度から確認できるように立面図へ起こしていきます。

立面図は姿図と呼ばれることもあり、非常に作成の難易度が高く、高い知識や技術が求められます。作成には緻密な計算が伴い、計算が誤っている箇所があれば製図をやりなおさなければなりません。正確な立面図は、複雑かつ失敗が許されない水道工事には必要不可欠です。

図面は正確な水道工事を行うために必要になるだけでなく、自治体に提出して工事の許可を得る際にも必須です。

水道工事は、必ず規定に沿って行う必要があるため、自治体はその工事が正しい形で行われるかどうかを綿密に審査します。その際、仮に図面に不備があれば審査が通らず、図面を再度作成しなければなりません。図面を再度作成する場合、想定外の時間と手間がかかるだけでなく、着工自体が遅れてしまうため、図面作成の失敗は施主様にもご迷惑をかけてしまいます。

図面を作成するには、製図に関する知識と水道工事に関する細かな知識が必要なだけでなく、緻密で均一な線を引くことなど細かな作業が数多く求められます。人為的なミスで図面作成を失敗してしまうリスクを軽減するためには、製図をサポートしてくれるCADシステムの利用がおすすめです。

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全国の自治体ごとに異なる給排水申請の作図や書類、器具、さまざまな仕様をすべて搭載しているため、各地の申請方法を都度確認する手間がありません。また、すべての作業をExcelやWord、PowerPointといった馴染み深いアプリケーションと似た操作性で行うことができるため、日頃のPC操作と近い感覚で申請作業を完了させることができます。さらに、リボンパネルやフロートメニューによって直感的な操作を実現させており、サイドバーのカスタム機能を活用することで、使いやすいよう調整を加えていただくことも可能です。

申請図・施工図どちらの作図にも対応しており、他CADとの連動やPDF図面を自動でCADへ変換したり、図面をスキャナで紙図面に起こすなど、効率的に運用できる点も大きな強みです。製図に関する自動機能も多数搭載されており、現場経験の少ない方や機械の操作が不慣れな方でも、正確な図面を作成することができます。他にも、水道工事に関するさまざまな書類の作成を全面的にサポートしており、データ入力や素材管理の簡略化も可能であるため、「ANDES水匠」を導入いただくことで大幅な業務効率化を図れます。

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