ご存知ですか？電気工事と電気通信工事の違い

電気通信工事といえば、電気業界で働いている方や電気工事に関わる仕事をしている方であれば必ずといって良いほど耳にしたことがあるのではないでしょうか。ただし、実際に上記の工事に携わっていない場合、通常の電気工事との違いや具体的にどのような仕事が電気通信工事に分類されるのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

電気工事と電気通信工事はいずれも、社会での重要性が高い工事であるため、今回はその違いや電気通信工事の概要、必要性などについて解説させていただきます。改めて確認したい方や、情報を自身の業務に生かしたいという方もぜひ最後までご覧ください。

ネット回線を整備したい、光回線にしたい、オフィスの移転を機に通信機器の新設をしたい、電話機を増やしたい、などといった通信設備関連の工事を検討している方は多くいらっしゃいます。そして、そのような工事をどこに依頼すべきか悩まれる方が多いのも現状ですが、実際これらの通信関連の工事はすべて、電気通信工事に分類され、電気工事の一つという位置付けです。
さらに詳しく説明すれば、建設業28業種の中にも含まれている建設工事の1種でもあります。また、電気通信工事は通信設備を取り扱うため、店舗やオフィス、公的機関などで使用されるデータ通信設備を対象とすることも多く、建物や店舗の建設時に設置する通信設備工事やメンテナンスで活躍する機会が多いでしょう。

電気通信工事と、電気工事との明確な違いについてご説明いたします。まず、電気工事は電気設備や照明器具を建物に新設したり、配線入れ替えやコンセント増設をしたりする場合に行われます。また、取り扱える電力も電気通信工事とは異なっており、それぞれの工事の仕事内容が全く同一となるようなことはありません。

一方で電気通信工事では、主に情報通信のためのインターネット、テレビ、電話やスマートフォン関連の設備工事を行います。これらの多くは施設、店舗、オフィスといった建物の中において、情報を伝達するための設備として多用されるといえるでしょう。その他にも、テレビ電波障害防除設備工事や情報制御設備工事なども分類されるため、情報伝達だけでなく、電力そのものを制御するためにも活用されています。

なお、電気工事と電気通信工事の最大の共通点は、電気工事士もしくは電気通信設備工事担任者などの国家資格を所有する人のみが施工できるという点です。万一、無資格で工事を行った場合は法により罰せられることもあるため、注意が必要です。

電気通信工事の具体的な施工例について、ご説明いたします。

まず、電気通信工事で代表的なものとして挙げられるのが、LAN工事です。LANとは、建物内の限定的な範囲におけるコンピュータネットワークのことで、通信機器、パソコン、セキュリティ機器、プリンターなどの機器を、コンピュータネットワークに接続するために行われるのがLAN工事です。その他にも、ビルやマンションでの光ケーブル、LANケーブル、ネットワーク機器設定、Wi-Fiの設置工事などもあります。ちなみに、LANには有線と無線が存在しており、LANケーブルを使用するものがLAN、ケーブルを使用せず電波のみで接続するものが無線LANです。

次に、放送設備工事という公共・商業施設や病院、店舗、学校などといった、建物内における情報伝達やコミュニケーションのための放送設備の施工をする工事があります。この放送設備の代表的なものとしては、緊急放送・非常放送設備・音響・一般業務放送・会議室放送・AV機器設備などがあり、これらは建物内におけるより多くの人々に必要な情報を伝えるという重大な役割を持っています。

また、携帯電話基地局工事も、現代に欠かせない工事の代表格です。この工事では、主にスマートフォンなどのモバイル端末にスムーズに電波を届けるための通信工事を行います。具体例としては、電波発信のための基地局建設、無線設備やアンテナ設備の機器設置、電波不感地帯を解消したり、通信試験を行ったりするための施工が挙げられます。他にもテレビ共聴設備工事や弱電設備機器設置工事などのインフラを支える工事があるため、電気通信工事は社会において必要不可欠な存在といえるでしょう。

電気通信工事は電気工事に分類されるものの、一般的な電気工事とは異なる特徴がある工事で、特に技術革新が進み続けている通信業界にとっては非常に重要な位置づけです。例えば、インターネットの利用に欠かせない光回線やスマートフォンをはじめ、AIロボットやテレワーク、自動運転、ARグラスなど、現代社会における最新技術を支えているといっても過言ではないでしょう。また、防災無線などの機器も取り扱うため、緊急時に人命を救う手段を守るためにも必要不可欠です。それ故に、より高い正確性や緻密性が求められる難易度の高い工事ともいえるでしょう。

電気通信工事は、このような進化が止まることのないジャンルや、将来性が高いジャンルにおいて、真っ先に必要とされる工事なので、現代社会を支えるために欠かせない存在です。

電気工事や電気通信工事は、それぞれで工事の内容に違いは多いものの、いずれも、電気設計図などの図面作成やデータ管理は必須です。

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