電気土木工事の現場におけるCADの活用例

電気は現代社会において最も広く利用されているエネルギーであり、あらゆる分野において社会を支えています。電気のエキスパートである電気工事士は、常に安全かつ一定の品質で電気工事を行い、インフラを支える使命と責任があります。そんな電気工事の1種である電気土木工事の現場では、CADを活用することで施工の質を高めていくことが可能です。

今回は電気工事業界に携わられている方に向けて、電気土木工事の現場におけるCADの活用法についてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

電気工事と一口に言っても、現場において行われる施工は1種類だけではありません。会社ごとに手掛けている施工内容は細かく異なるため、実際に現在所属されている会社様にも特化した作業が存在するでしょう。

今回ご紹介させていただく電気土木工事とは、電気工事と土木工事が並行して行われる施工のことを指した言葉です。電気工事は社会に電気を供給し、その電気が安全かつ適切に使用されるようにさまざまな施工を行っていく業種であり、そんな電気の供給に必要不可欠なのが電線の存在です。電線を介して発電所から電気が送られ、変圧された電気が家庭などに送られることで、はじめて人々は電気を使用することが可能になります。

そのために欠かせないのが電柱などの設置であり、土木工事の分野に含まれる施工が必要になってくるのです。また、土地によっては電柱ではなく、地中に埋設された管の中を通す形で電線が通される場合もあります。その際も地面の掘削を伴った土木工事が必要であり、電気・土木両方の性質を併せ持った電気土木工事が行われることになります。電気土木工事が行われる際は電気工事士としての一般的な施工スキルだけでなく、重機を用いたさまざまな業務が存在することも特徴です。

電気土木工事の具体例として、電柱の設置工事をご紹介いたします。電柱の設置時はまず削岩機で道路の舗装を取り除いた上で、アースオーガーなどを用いて地面の掘削を行っていきます。道路の下には水道管やガス管などが埋設されていることが多いため、埋設物を傷つけないよう細心の注意を払わなければなりません。埋設される電柱の6分の1の深さまで掘削した上で、クレーンを用いて電柱を地面に差し込んでいくのが特徴です。電柱の位置や角度をチェックしつつ掘削した地面を再び埋め直し、根枷ブロックを設置して電柱を固定した上で、路面のアスファルト舗装を元に戻すことで、一連の施工が完了となります。

また、他の施工例としてはインターネット回線を引き込むために行われるための電気土木工事などが挙げられます。建物の構造によってはインターネット回線の敷設時に塀などが邪魔になることがあり、場合によっては塀に穴を開けるなどの施工を行わなければなりません。その際は土木工事の施工技術を用いて、穴を開けるなどの施工が実施されます。他にも電気土木工事には数多くの種類が存在しており、現代社会に欠かせないさまざまな電気設備を使用するための要として活躍しています。

電気土木工事の現場では、先ほどご紹介させていただいたように地面の掘削などが行われていきます。電気土木工事を滞りなく進め、トラブルなく施工を完了させるためには、現場全体を正しく把握し、現場全体で施工内容を共有するための図面の存在が欠かせません。電気工事には配線図が必要となりますが、電気土木工事の場合はそれだけでなく、施工図面を作成する必要もあります。

従来の電気工事業界では紙に書き起こす形で図面が作成されていましたが、紙の図面は作成に手間がかかり、高い技術・知識も求められます。さらに、保管や持ち運びにも気を使わなければならず、取り扱いに難がありました。手作業による図面作成の代替として現在広く普及が進められているのが、ソフトを取り込むことでパソコン上で図面作成が可能になるCAD（Computer Aided Design）です。

CADはキャドと呼ばれており、コンピュータ支援設計という意味があります。CADを使用することでパソコン上で速やかに図面を作成でき、従来の紙図面にあったさまざまな手間を解決することが可能です。電気土木工事だけでなく建設業界をはじめ、図面の作成が重要な業界において幅広く使用されており、政府主導のデジタルトランスフォーメーションの一環として普及が推進されています。電気土木工事は特に図面の重要性が高いことから、さまざまな業界の中でもとりわけCADの導入によって受けられる恩恵が大きな業界と言えるでしょう。

CADを活用して図面作成を速やかに行えるようになれば、スタッフの負担が大幅に減り、時間にも余裕が生まれます。社内の労働環境を改善できることに加えて、施工効率の向上、施工クオリティの向上、人手不足の解消など、多岐にわたるメリットを生み出してくれるでしょう。電気土木工事の全体的な品質を向上させたい場合は、CADの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

CADには多種多様な種類が存在しており、用途ごとにさまざまな業界で使い分けられています。弊社がリリースしている「電匠NX」は電気工事における業務のサポートに特化したCADシステムであり、配線図をはじめとする幅広い図面作成を行うことが可能です。配線図の作成は極めて複雑な作業ですが、電匠NXを使用していただければ、入り組んだ図面であってもスムーズに完成させることができます。単線接続図、複線接続図、内部接続図、屋内配線図など、いずれの図面についても作成のサポートが整っております。混乱しがちな電気記号なども、登録されている中から選択するだけで使用でき、迷うことなく高品質な図面を作成可能です。

もちろん、一般的な配線図だけでなく、電気土木工事に用いられる図面の作成も可能です。正確な図面を作成し、施工トラブルを未然に防ぎつつ、お客様のご要望に沿った施工をサポートさせていただきます。また、電匠NXは基本的なパソコン操作を行える方であれば、簡単操作で取り扱うことが可能でございますので、安心して導入いただけます。電気土木工事で活用できるCADソフトをお求めの際は、電匠NXに関する資料をお気軽にお求めください。