電気工事士の必須知識!配電盤やブレーカーとは?

電気工事では戸建て住宅や集合住宅をはじめ、オフィスビルや大規模な建物まで、さまざまな建物に電気を供給するための施工が行われます。 そんな電気の供給において、非常に重要な設備として扱われているのが、配電盤やブレーカーです。
しかし、配電盤やブレーカーといった電気の 供給を司る設備はそれぞれの細かな区分が曖昧になりやすく、役割が混同してしまうという方もいらっしゃるでしょう。それぞれが持つ役割は 大きく異なっており、電気工事に携わる際は設備に関する正しい知識を身につけておくことが大切です。
今回の記事では配電盤やブレーカーなどの 電気設備に関する基礎知識をご紹介いたします。
配電盤とは
配電盤は、受変電設備で受けた電力を回路別に分配し、安全に供給する役割を持つ設備です。オフィスビルや商業施設、病院、工場など、大量の電力を 使用する建物に設置されます。
高圧で送られてきた電力は、まず変圧器によって低圧に変換され、その後配電盤によって回路に振り分けられます。 配電盤には遮断器や断路器などの保護装置が組み込まれており、過電流や短絡などのトラブル発生時に被害を最小限に抑え、火災や設備故障を防ぎます。
配電盤には、高圧配電盤・低圧配電盤・制御盤などの種類があります。高圧配電盤は工場や大型ビルなど高圧受電を行う施設に設置され、低圧配電盤は 一般的な建物での分電に用いられます。制御盤は工場の生産ラインや設備の運転管理などを目的として利用されます。
配電盤の設置と定期的なメンテナンスに より、安全かつ円滑な電力供給が実現されているのです。
配電盤と分電盤の違い
分電盤とは、配電盤から供給された電力を建物内の各所へ分配するための設備です。配電盤が建物全体の電力をまとめて受け持つのに対し、 分電盤はフロアごとやエリアごとに設置され、より小規模な単位で電力を分配します。
分電盤には回路ごとにブレーカーが備えられており、 照明回路・コンセント回路・空調回路など用途ごとに分岐されています。これにより、過負荷や短絡などのトラブルが発生した際には特定の 回路だけを遮断でき、建物全体への影響を最小限に抑えることが可能です。
配電盤は主幹側に位置し、多くの回路や保護装置を持ち、 場合によっては受変電設備と一体化して使われます。一方、分電盤は各回路への配線を管理するシンプルな構造で、安全かつ効率的な 電気設備の運用を支えています。
ブレーカーとは
配電盤や分電盤に関連する身近な装置として、多くの方が「ブレーカー」を思い浮かべるでしょう。ブレーカーは、規定値以上の電流が 流れた際に自動的に回路を遮断し、火災や感電といった事故を防ぐ装置です。一般家庭では分電盤の中に収められています。家庭用分 電盤に搭載される代表的なブレーカーには、以下の3種類があります。
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・アンペアブレーカー(契約ブレーカー)
電力会社との契約容量(アンペア)を超えた電流が流れた場合に遮断します。 近年はスマートメーターが同等の管理を行うケースもあります。 -
・安全ブレーカー(配線用遮断器)
各回路に設置され、過電流や短絡が起きた際に自動で遮断し、電線や機器を保護します。 -
・漏電ブレーカー(漏電遮断器)
回路で漏電を検知すると遮断し、火災や感電事故を未然に防ぎます。
ブレーカー工事の注意点
ブレーカーは電気を安全に分配・遮断するための設備であり、ブレーカー工事を行う際は感電や火災などの事故に注意が必要です。 工事にはさまざまな種類があり、契約アンペア数を変更するようなシンプルな施工であれば1時間程度で完了しますが、回路の増設など では半日以上かかる場合もあります。大規模な工事になることもあるため、事前にブレーカーの現状を確認しておくことが重要です。
また、工事に伴い壁や建物に手を加える必要が生じる場合もあるため、管理会社の規約を確認し、必要に応じて事前許可を得て おくことが大切です。
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