上下水道の切替工事を水道CADを用いたデジタル化環境で行うメリット

水道は社会にとって最も重要なインフラの1つであり、そのインフラを維持していくためには水道工事の実施が欠かせません。水道の始まりは明治時代であり、現存する水道の多くが設置されたのは昭和の高度経済成長期と言われています。水道は一度敷設されると長期的に使用されていくことが前提となる設備であるため、水道に関する施工を行う水道工事業者には高い技術が求められます。水道工事の中でも施工件数が多く、常に一定の需要が存在している施工として挙げられるのが上下水道の切替工事です。

今回は、切替工事をCADを導入したデジタル化環境で行っていくことで得られるメリットについて、わかりやすくご紹介いたします。

まずは、上水道と下水道の区分を改めて確認していきましょう。上水道とは私たちの暮らしにおいて使用される飲料水や生活用水など、清潔な水を届けるために敷設される水道を指している言葉です。上水道の水は給水場から都市に向けて伸びている水道本管を通して運ばれており、そこに給水管を接続することで建物で水を使用できるようになります。上水道の存在は、人間が生命を維持して社会を保っていくために不可欠であり、文字通りのライフラインだと言えるでしょう。

一方、下水道は用途を終えた水を配水していくための設備です。人間が生活を送っていくと、お風呂やトイレ、洗顔、その他さまざまな行動によって大量の水を排出していきます。用途を終えた水にはさまざまな異物や汚れが混ざってしまっているため、そのまま自然にかえしてしまうと環境汚染が起きてしまうことになるでしょう。そこで活躍するのが下水道であり、住宅やオフィスビル、店舗などから排出された水は、排水管を通して下水道に運ばれ、そのまま下水処理施設へと運ばれていきます。処理施設で適切な処理を受け、水を一定の清潔さにまで戻すことによって、自然の中へその水をかえしていくことが可能です。

上水道と下水道には、給水と排水というそれぞれの役割が存在しています。水道と聞くと一般的には飲料水や生活用水を得るために用いられる上水道がイメージされがちですが、上水道と下水道はどちらが欠けても水道網を維持していくことができなくなってしまいます。上水道と下水道は表裏一体とも呼べる存在であり、施工には細心の注意を払い、高度な技術をもって臨んでいかなければなりません。もし水道工事に不備があれば、社会を支えるライフラインである水道網に重大な問題が生じてしまいかねません。そのため、水道工事は自治体によって厳密に管理されており、水道工事を行う業者は認可を受けている必要があります。

水道工事は建設業界において行われている施工の中でも、特に専門的なスキルが求められる仕事だと言えるでしょう。

水道の切替工事とは、一体どのような施工のことを指しているのでしょうか。給水管の施工を例に見ていくと、給水管切替工事とは、既設の給水管を新たな給水管へ取り換えていく工事のことを指しています。施工の目的はいくつか挙げられ、老朽化した給水管を取り換える目的で行われる場合や、家族構成や生活環境の変化によって給水量を変える場合などが挙げられます。

切替工事の流れとして、最初に行われるのが水道管以外のガス管などの管を誤って傷付けてしまわないよう、地中の状態を確認していく掘削調査です。掘削調査の結果に基づき、続いて道路や地面の掘削が行われていきます。必要な分だけの掘削が済んだところへ新たに使用される給水管を埋設し、ここで既設の給水管からの繋ぎ変えを行います。水の流れに問題がないようであれば、続いて行われるのが水道の切替です。古い給水管を水道から切り離して、水の流れを変えることによって、新たな給水管を使用できる状態にします。役割を終えた古い給水管を撤去し、掘削していた地面を元に戻し、舗装を施し直すことによって切替工事は完了となります。

水道工事における切替工事でCADを用いることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。水道工事を行うためには図面の作成が義務付けられており、非常に重要な作業です。施工では目視することができない地中に対して進めていかなければならず、平面図だけでなく、立体図も必要とされるのが水道工事の特徴です。また、水道工事は厳重な管理が行われているため、施工に関する申請を行う際に申請書類の1つとして図面を提出しなければなりません。水道工事の図面作成には手間がかかり、水道工事におけるネックの1つとなってしまう作業ですが、CADを使用すれば従来の紙図面の作成と比べて、手間を大きく省くことが可能となります。

さらに図面作成の精度も高く、施工時に現場の状況が把握できないという状況に陥る可能性を避けるでしょう。さらにCADは離れた場所でもデータ共有が速やかに行えるというメリットがあり、現場との間で施工に関する詳細な確認をシームレスに行うことが可能となります。複雑な施工を行わなければならない切替工事の現場において、CADがもたらしてくれるメリットは非常に大きなものだと言えるでしょう。

弊社がリリースしているCADシステム「水匠NX」は、さまざまなCADシステムの中でも特に水道工事に特化した性能を備えています。フリーソフトとしてリリースされている汎用二次元CADは操作に高い技術が求められ、立面図の作成にも適していません。しかし、弊社の水匠NXは水道工事に関する専門的な機能を多数備えており、図面作成に関する強力なサポートを可能としています。平面図さえ作成すればワンタッチで立面図を展開することができ、作業にかかる時間を大幅に短縮してくれるでしょう。

他にも、申請書類の作成についても細やかなサポートを実現させており、入力などを簡略化してくれる機能が多数備えられています。自治体ごとに異なる申請の仕様についても全国のものが網羅されているため、その都度確認する手間がかかりません。

PCに不慣れな方でも安心して馴染んでいただける簡単操作も強みの1つであるため、水匠NXに関心をお持ちくださった方は、ぜひお気軽に資料をご請求ください。