水道工事の指定業者になるには?活動に必要な条件と手続き

水道本管や給排水管に関わる施工は、基本的に自治体から指定業者としての認定を受けなければ原則として行えません。水道工事は国や自治体による厳しい管理下に置かれており、水道という公共性の高いインフラに関わる工事を行うためには、その認可を受ける必要があります。これは、水道工事が水道という社会に不可欠なインフラであり、安全性や品質を確保するためです。
水道工事における指定業者として活動していくためには、満たさなければならない条件が数多く存在します。今回は、水道工事業界に携わっている方に向けて、指定業者として求められる条件をはじめ、さまざまな情報をご紹介いたします。
水道工事の指定業者とは
水道工事はインフラに関わる施工であり、自治体による厳しい管理が行われているのが特徴です。そんな管理下で、十分な施工能力や遵法精神を備えていることを示す仕組みが、指定業者制度です。
指定給水装置工事事業者
指定給水装置工事事業者とは、自治体に属する水道局や役所の水道課などから、給水工事を適切にこなすことができると認められた業者のことです。
こうした指定制度が設けられているのは、水道設備の安全と安定供給を守るためです。給水装置に関する施工で事故やトラブルが起きれば、水の供給が滞ってしまう可能性もあります。水質の異常などから利用者、あるいは広範囲にわたる健康被害に発展してしまうリスクもあるため、給水装置の施工に関わる業者には一定以上のスキルが求められます。
このような理由から、指定を受けるためには明確な基準を満たす必要があります。「給水装置工事主任技術者を事業所ごとに選任している」「省令通りの機械器具を所有している」「欠格要件に該当せず、不正な対応をする業者でないと認められる」の3つが、認められるうえで必要な条件です。
上記の基準を定め、自治体が指定を行うことで、さまざまなトラブルを未然に防ぐことにつながっています。
指定排水設備工事事業者
指定排水設備工事事業者は給水装置とは反対に、使い終えた水を排出するための設備工事を行うための指定事業者を指します。
排水設備とは、自宅から下水道へ生活排水や汚水を排出するための設備のことです。排水設備も給水装置と同様に、水道のインフラを保つためには必要不可欠な存在であり、下水道に生活排水や汚水を適切に排出できなければ、都市の衛生環境は損なわれてしまいます。
排水設備の適切な施工を確保する役割を担うため、事業者には所定の条件が設けられています。「排水設備工事責任技術者を事業所ごとに選任している」「指定を受ける下水道管理者の都道府県内に営業所がある」「排水設備工事に必要とされる機材・資材を所有していること」が、条件として挙げられます。
加えて給水と同様、欠格要件に該当せず、不正な対応をする業者でないと認められることも条件となっており、インフラに関わる施工に携わるための資格が測られるのが特徴です。
指定業者の有効期限
指定業者には、有効期限があります。令和元年の10月1日に水道法第25条の3の2が改正されたことにより、更新制が導入されました。有効期限は5年間で、その都度更新しなければならないというルールになっています。
従来は一度指定業者となると、以降は無期限で指定業者として活動することができていましたが、現在は期限が設けられたことに留意が必要です。期限が切れた後も継続して指定業者として活動する場合、有効期限の間に更新手続きをしなければなりません。
更新のタイミングで条件を満たせていなかった場合には更新できない場合もあるため、水道業者は常に真摯な姿勢で業務に取り組むことが求められます。
有資格者の在籍が条件
数ある水道工事業者の中で自治体に認められ、指定業者として活動していくためには、どんな条件が求められるのでしょうか。まず水道法に則り、必要な基準を満たした施工が可能であることが前提となります。上水道、下水道でそれぞれ指定給水装置工事事業者、指定排水設備工事事業者という区分はありますが、いずれも水道局指定工事店という括りでの指定を受けることに変わりはありません。
指定業者としての認定を受けるうえで重要な条件となるのが、水道工事に関わる資格の有資格者の在籍です。上水道に関する施工を行う際には給水装置工事主任技術者、下水道に関わる施工を行う際には、排水設備工事責任技術者を所持しているスタッフがいなければなりません。この資格を取得しているスタッフが在籍しており、認定を受けた施工業者であれば、上下それぞれの水道設備について、設置から撤去までの一貫した施工を受け持つことができるようになります(各自治体で指定を受けた範囲内で)。
関連ページ:給水装置工事のプロ!給水装置工事主任技術者とは
給水装置工事の指定条件
上述した有資格者の在籍は指定条件の1つですが、それ以外にも細かな条件がいくつも存在しています。まずは、給水装置工事における指定業者の条件について、詳しくチェックしてみましょう。
水道工事を行うための条件として、厚生労働省で定められた施工に必要な機械器具を有していることが挙げられます。金切りのこぎり、その他の管を切断するための機械器具、やすり、パイプねじ切り器、その他の管を加工するための機械器具は必須の道具とされています。加えてトーチランプ、パイプレンチその他の接合用の機械器具、そして水圧テストポンプといった一揃いの器具を有していなければ施工を行うことができず、認可を受けることもできません。
また、施工を手掛けていくスタッフについても指定の条件が存在しています。複数の条件があり、「心身の故障による施工への支障がない」「破産手続きを受けていない」「水道法に関する違反を犯した経験がない」といったことが主な条件となっています。さらに、他の理由で不正の恐れがあるとみなされた場合にも指定を受けることはできません。法人であれば役員に上記の条件に該当する者がいる場合も同様です。
排水設備工事の指定条件
給水装置工事に続き、排水設備工事に関する施工業者の指定条件についても、見ていきましょう。有資格者の在籍が必要なのは先に述べた通りですが、加えて資格を取得しており、専任予定のスタッフを自治体に登録する必要がある点にも注意が必要です。専任予定のスタッフは、正式に事業者に所属し、業務に従事していなければならず、アルバイトやパートといった働き方・下請け業者のスタッフなどでは、条件を満たすことはできません。
心身の故障や法律に関する部分は、給水装置工事に関わる指定条件と同様の内容となっています。仮に届出をしていない施工を行い、法律に違反した経歴がある場合は、その後一定期間(例:2年間)指定を受けられない場合があります。
なお、給水装置工事にも共通していますが、自治体からの指定を受ける際、必ずしも本社がその自治体にある必要はありません。ただし、事業所・店舗などが自治体内にあることが必須なため、認定を受ける際は、まずその自治体に事業所や店舗を構えているかどうかが重要なポイントになります。給水装置工事、排水設備工事ともに、指定業者としての認定を受けることができれば受注の間口を大きく広げられるでしょう。
指定業者と非指定業者の違いとは?
水道工事業界には指定業者だけでなく、非指定業者も数多く存在しています。水道工事業界で働くうえで、それぞれが手掛ける業務の種類について、詳細に把握しておきましょう。
指定業者が対応できる施工
水道工事の指定業者は、上述のように給水装置・排水設備などのさまざまな施工を手掛けることができます。具体的に挙げていくと、上水道については給水管や水栓などの新設工事など、水道本管に関わる施工を行うことができます。他にも給水管の種類変更や増設、給水管や水栓の撤去工事など、幅広い業務に対応することが可能なのが特徴です。
下水道についても、排水設備の新設や増設、撤去などに対応することができます。新築時の下水に関する施工などは、指定業者への依頼が基本となります。また、既存の汲み取り式トイレを水洗トイレに交換する工事などを行うこともでき、水道工事業界の中核を担う業務に広く対応することが可能です。
非指定業者が対応できる作業
水道工事において自治体からの指定を受けていない施工業者も、営業すること自体は違法ではありません。しかし、対応できる作業は限られており、パッキンの交換・蛇口の交換・トイレの交換と清掃などが挙げられます。これらの作業は非指定業者でも行うことができ、加えて給水装置に該当しない軽微な作業については、法律上問題とならない場合があります。
しかし、パッキンや蛇口の交換だけで済むと思っていた作業でも、実際には給水装置に関わる工事が必要となるケースもあります。その場合は、改めて指定業者へ依頼しなければなりません。非指定業者の対応範囲は狭く、施工内容によっては依頼を最後までこなせない場合もある点に注意が必要です。
指定業者の申請の流れ
水道工事を手掛けていくうえで、自治体から指定業者として認定を受けるためには、どのように申請をすれば良いのでしょうか。具体的な申請の流れをまとめましたので、順にチェックしていきましょう。
申請書類を入手する
自治体への申請を行う際には、まず対応する申請書類を入手する必要があります。申請書類は市町村のホームページ内から入手することができるため、各種書類をダウンロードしましょう。また、役所の窓口で直接入手することもできるため、必要書類がわからない場合には直接窓口を訪れるのもおすすめです。
必要書類を準備する
具体的な必要書類としては、主任技術者証・工具リストなどが挙げられ、その業者が指定を受けるために十分な設備や人員を有しているかを確認するための書類が求められます。必要書類の準備に漏れがあると指定を受けられない可能性が高まるため、抜けがないよう念入りに準備しましょう。
水道事業者へ提出する
準備した必要書類は、自治体などの水道事業者へ提出します。この段階で条件面に関する精査が行われ、十分な資格を有しているかどうかの判断が下されます。なお、申請内容や書類に不備があった場合には再提出や面談が必要になることがあるため、注意が必要です。各資格保有者の選任・省令で定める工具の保有・欠格要件に該当しないことという3つの条件を正しく満たしているかどうかを、あらかじめ確認したうえで申請を行いましょう。
指定通知書が交付される
一連の申請の流れを終え、自治体によって条件を満たしていると認定された場合、指定業者として指定通知書の交付を受けることができます。この通知書を受け取ると指定業者として水道工事を行うことができるようになり、活動の幅を大きく広げることが可能です。しかし、指定通知書の交付を受けても、その認定が有効な範囲は自治体の範囲内のみである点に注意が必要です。例えば、隣の市など異なる自治体で指定業者として工事を受けることができないため、施工に携わる際はそれを念頭に置くようにしましょう。
水匠NXの導入で水道工事に関わる事務作業を大幅にスピードアップ!
一連の申請の流れを終え、自治体によって条件を満たしていると認定された場合、指定業者として指定通知書の交付を受けることができます。この通知書を受け取ると指定業者として水道工事を行うことができるようになり、活動の幅を大きく広げることが可能です。しかし、指定通知書の交付を受けても、その認定が有効な範囲は自治体の範囲内のみである点に注意が必要です。例えば、隣の市など異なる自治体で指定業者として工事を受けることができないため、施工に携わる際はそれを念頭に置くようにしましょう。
#水道工事 #指定業者
