営業報告書とは?業務を効率化する作り方を項目別に解説

営業は属人性が高く、人材の質によって営業の成績が変わりやすいため、営業を成功させることは多くの企業にとっての課題と言えます。そして、営業の成績を伸ばしていくための要素として挙げられるのが、営業報告書の存在です。
この記事では営業報告書の定義、作成によるメリットとデメリット、営業報告書の一般的な項目、作成における注意点について、解説いたします。
営業報告書とは
営業報告書とは、営業担当者がどのような活動を行ったかを記録として残し、上司やチーム内のメンバーの間で情報を共有するための報告書を指します。営業は具体的な成果が目に見えにくく、成約などの明確な結果が出たときを除いて個人の活動が把握しにくいという点がネックになりがちです。前向きな話ができたという成果があったり、反対に効率の悪い活動によって成果が得られていなかったりする場合でも、周囲が把握しにくくなっています。それらを把握するためには、営業報告書の作成が重要になります。
営業報告書を書くメリットとデメリット
営業報告書を書くことで得られるメリットとして、管理者がメンバーの活動内容を把握しやすくなるという点が挙げられます。営業の業務は個人ごとに行われますが、チーム内においてスタンドプレーが増えてしまうと、非効率的な営業が行われるリスクが高まります。これに対して、メンバー全員が毎日営業報告書を作成し、管理者が都度確認できる体制を作ることで、常に活動内容を正確に把握することが可能です。営業内容に対するアドバイスや軌道修正などを行いやすくなり、成果だけでなく活動内容を見た評価もしやすくなることから、柔軟なチーム体制を築きやすくなるでしょう。
一方、営業報告書を作成するデメリットとして、営業報告書だけでは活動内容をすべて把握することは難しいという点が挙げられます。また、営業報告書は毎日記録されるものであり、量が膨大になりやすいため、管理が大変という点もデメリットの1つです。
営業報告書の作り方
営業報告書は、項目を分けつつ必要な内容を列記していく必要があります。項目を分けずに1日の活動内容を網羅してしまうと視認性が著しく低下し、記録として役立てることが難しくなります。そこでここからは、営業報告書で作成する際に重要な内容について、7つの項目に分けて見ていきましょう。
訪問先
営業報告書には、営業活動として訪れた訪問先を記載する必要があります。報告書を書いた本人以外が見てもすぐに内容がわかるよう、企業名・担当部署などを具体的に書きます。また、担当者が交代する際の引き継ぎなどをスムーズにするため、もしくは上役から連絡を入れる必要が出た場合などに備えて、担当者の名前を記載しておくことも大切です。他にも、営業の対象が特定の業界に限らない場合などは、営業先がどの業界か、どのようなビジネスを行っているかなど、第三者から見てわかりやすくなる情報も記載します。チーム内で横の連携を行う際や、管理者が詳細を把握するためには、わかりやすさを重視した報告書を作成することが大切です。
目的
営業において行われる訪問は、商談だけとは限りません。そのため、営業報告書には、その訪問先をどのような目的で訪れたかを記載する必要があります。例えばクレーム対応を目的とした訪問や、情報提供を目的とした訪問など、さまざまな種類の訪問が挙げられます。営業は、さまざまな方面で関係性を築くことが大切な業務であり、商談には繋がらない段階であっても、顔見せを目的として訪問を行うこともあるでしょう。何を目的として訪問先を訪れたかを営業報告書に明記しておくことが、大切な情報となるのです。また、大量の訪問先を順に回る際などには自分で何のために訪問したのかを忘れてしまうケースもあるため、営業報告書への記録は、後から見返せる自分用の記録としても大いに役立ちます。
打ち合わせの概要
訪問先で商談に関する打ち合わせなどを行った際には、どのような内容の打ち合わせを行ったかを記録することも大切です。仮に前向きな方向で打ち合わせが進んだとしても、次回の訪問までに期間が空き、前回の内容を失念してしまうようなことがあれば、自社の信頼性が大きく損なわれてしまいます。また、内容を忘れることはなくても、打ち合わせにおける相手方の反応の細かいニュアンスなどを記憶しておくことは難しいため、手応えなどを都度記録することが大切です。管理者を含めたチーム内での情報共有においても、この項目は非常に重要と言えます。
得た情報
訪問先では商談に関する成果を得られなかった場合でも、さまざまな情報を得られる場合があります。訪問先からの情報提供という形で情報を得られる場合もあれば、商談の進捗に応じて副次的に情報を得られたという場合もあるでしょう。例えば、自社が現在実施している施策が顧客または業界内においてどのような反響を得ているかなどが挙げられます。また、取引先を含めた市場全体の動向など、今後の営業方針に関わるような情報を得られることもあります。仮にそれらの情報を得た際は営業活動における成果であり、チーム内で速やかに情報共有されることが理想的です。得られた情報を簡潔かつ正確に営業報告書に記載し、迅速に営業方針に反映していく体制を築くことができれば、チーム全体の営業能力を底上げできます。
今日の実績
営業報告書を書く上で主要な目的の1つとなるのが、実績に関する記載です。営業活動を通じて得られた販売実績やアポを取り付けることができた実績などを記録していきます。営業は明確な業務内容を記録することが難しい業務ですが、実績は明確に記録できます。管理者がチーム全体の進捗を把握する上で役立つことはもちろん、成約の日付なども営業業務において必須となる情報です。加えて、自身が残した成果を営業報告書に実績として記録していくことは、モチベーションアップにも役立ってくれます。共有情報として成果が記録されることはチーム内での競争を生み、相乗効果にも繋がりやすいため、営業チーム全体の士気上昇だけでなくメンバーを評価する際も有効活用できます。
今日の反省点
営業報告書を作成する上で欠かせない項目が、今日の反省点の記載です。営業は業務の性質上、毎日のように成果を得られる仕事ではありません。むしろ業種によっては具体的な成果を得られない日が多くなるケースもあり、日々の業務をルーティン的に漫然とこなしてしまう姿勢に陥ってしまいがちな傾向があります。そこで大切になることは、今日の反省点を毎日記載することによって自身の活動を振り返るという作業です。決して自罰的になる必要はありませんが、客観的に反省点や問題点を考え、日々をそれを見直していくことによって、営業職としての着実なレベルアップを目指せます。また、メンバー1人1人が何を課題としているかが明確になるため、上司がフィードバックやアドバイスを行いやすくなり、チーム全体の能力の底上げにも役立ちます。
明日の目標と行動予定
営業報告書の最後に記載すべき内容が明日の目標と行動予定です。前の項目にあった反省点・問題点を踏まえた上で、明日の目標を書いておくことによって、日々の活動におけるモチベーションアップを目指せます。モチベーションの維持・向上が課題になりがちな営業職において、この項目がもたらしてくれる効果は非常に大きいです。また、前日に行動予定を書いておくことで管理者のスケジュール管理がしやすくなることに加えて、予定していたアポイントメントを忘れてしまうなどのトラブル防止にも役立ちます。今回ご紹介させていただいた項目をすべて正しく記入することで、高品質な営業報告書を作成できます。
営業報告書作成の注意点
営業報告書を作成する際は、自分だけでなく上司やチーム内のメンバーも目を通すことを意識し、第三者が見て読みやすい形式にすることを心がけましょう。例えば、記入する内容がチーム内で統一されていないと、非常に読みにくい報告書になってしまうためフォーマットを統一することが大切です。フォーマットの統一は記入の手間を省くことにも繋がり、作業による負担を軽減しやすくなるため、さまざまな面でメリットが生まれます。また、ありがちなミスとして挙げられるのが、主観と客観の混在です。営業報告書の内容は事実と主観的な意見を明確に区別し、第三者が目を通した際に混同してしまわないような書き方を意識しましょう。
まとめ
今回は営業活動で重要となる営業報告書について、基本知識や具体的な作り方などをご紹介させていただきました。正確かつわかりやすい営業報告書を作成すると営業効率を大幅に高められます。ぜひこの記事も参考にしていただきながら高品質な営業報告書を作成し、チーム内でスムーズな情報交換を実現しましょう。
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