電気工事士向け!キュービクルの設置工事を行うために必要な資格

電気工事では電気に関わるさまざまな設備の施工を手掛けますが、その中でも重要性の高い施工の1つに数えられるのがキュービクルの施工です。現代社会における数多くの建物で電気を円滑に利用していくためには、キュービクルの存在が欠かせません。また、キュービクルは高圧の電気を扱う設備であり、無資格で施工に携わることはできません。キュービクルの重要性と危険性を鑑みて、設置工事を行うために必要な資格が定められています。
今回の記事では、電気工事士として活躍されている方に向けてキュービクルの設置工事を行うために必要な資格をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
電気設備としてのキュービクルの重要性
電気設備としてさまざまな建物において利用されているキュービクルは、正式名称が「キュービクル式高圧受電設備」であり、電圧を変える役割を担っている設備です。
発電所から送電線を介して送られてくる電気は6600Vの高圧状態になっており、そのままでは電力として利用することができません。一般家庭などでは電柱に設置されている柱状変圧器によって変圧が行われていますが、規模の大きな建物などではその代わりに、キュービクルが変圧のために利用されます。
また、キュービクルが使用される場所は高圧受電契約を結んでいる建物であり、具体的な例としては商業施設やオフィスビル・工場などが挙げられます。これらの建物では一般的な電圧では電力を賄うことができないため、高圧受電契約を結ぶことになり、電気を100Vや200Vに変圧させるためにはキュービクルの利用が不可欠です。
キュービクルが設置される建物はさまざまな分野における工業・産業を支えているものが多く、社会において欠かせない役割を担っています。
電気工事士の必須知識!キュービクルの内部構造
電気工事士として働いていく上で、重要な業務の1つとなるのがキュービクルに関する施工です。キュービクルは取り扱いに一定の危険性が伴うことから、キュービクルの施工を行えるのは定められた資格を所持している電気工事士のみです。
キュービクルは立方体という意味である「キューブ(Cube)」に由来する言葉であり、金属の箱のような外観をしています。その中には変圧器をはじめ、断路器・負荷開閉器・遮断機など回路の開閉に関する機能を持った機器が収められています。
さらに、保護装置が備えられ、電圧・電流の計器類、コンデンサなどが納められており、ただ降圧を行うだけでなく、安全性などにも十分に配慮された構造になっていることがキュービクルの特徴です。
キュービクルの施工に必要な電気工事の資格
冒頭でもご紹介いたしましたが、キュービクルは6600Vという高圧の電力を扱う電気設備であり、扱う上でのリスクに十分な配慮が必要となります。また、施工に不備があれば火災や漏電、停電など、さまざまなリスクを招く原因になりかねません。そのため、キュービクルの設置工事などを行うためには電気工事に関する特定の資格を取得していることが求められます。
キュービクルの設置工事を行う際に必要になるのが、第一種電気工事士の資格です。電気工事士には第一種・第二種の区分があり、第一種は第二種よりも難易度が高いですが、対応できる業務の幅も広く、上位互換にあたる資格となっています。キュービクルの設置時は第一種電気工事士の資格保有者が現場に存在している必要があり、電気工事に精通したエキスパートの知識が必須です。
また、設置工事以外にも目を向けるとキュービクルが安全性や機能面を保つために、定期的な保安点検が行われることが義務付けられています。この保安点検は、電気主任技術者の資格がなければ行うことができません。電気主任技術者は合格率が10%前後になることが多い資格であり、極めて難易度の高いものとなっています。
第一種電気工事士・電気主任技術者の両方を取得することができれば、社会的に高い信頼を得ることができ、キュービクルの施工など電気工事業界の第一線で活躍できるでしょう。
キュービクルの電気工事における注意点
キュービクルの設置工事に関して把握しておきたい注意点としては、安全面の確保と関連したいくつかの物が挙げられます。
まず、キュービクルは地面に直接設置するのではなく、土台となる基礎を設けなければなりません。前述の通りにキュービクルは高圧の電気を扱う設備であり、仮に不安定な状態で設置されていると転倒やそれに伴う火災などのリスクが生じてしまいます。土台となる基礎を設け、そこにアンカーボルトを用いて固定することで、建物などを傷付けることなく安全に設置することが可能です。
また、基礎の上にキュービクルを設置することで、キュービクルの稼働に伴う振動や騒音などを抑えることもできます。加えて、ホコリなどが入りづらくなる効果も期待することができるため、基礎の上にキュービクルを設置することには多くのメリットが期待できます。
ただし、注意点となるのが基礎工事は電気工事の分野ではなく、建築工事の分野になるという点です。他社と連携しながら施工を進めていく形になるため、行き違いが起きないように必要な施工内容などを過不足なく説明できるよう、現場の状態を把握しておくことが非常に大切になります。
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