水道管の老朽化と対策に役立つ水道CADについて

水道は、人間が生きていくために決して欠かせない水を全国へ行き届かせるための重要な設備です。かつての日本では川の水や井戸水が生活用水、飲料水として用いられていましたが、ピロリ菌や寄生虫など、さまざまな衛生面のリスクに社会全体が悩まされていました。そんな水の衛生に関する問題は、明治時代に設置が始まり、高度経済成長期に一気に普及が進められた水道網によって一躍解決へ向かいました。その頃に設置された水道管の中には現在でも現役で使用されているものが数多く存在しており、社会にとって欠かせない存在となっています。しかし、水道工事業者はそれらの水道管の老朽化問題と向き合っていかなければなりません。

今回は、水道工事業を営まれているみなさまに向けて、水道管の老朽化と、その対策に役立つ水道CADに関する情報をご紹介します。

社会を維持していくための機能であるインフラに類される設備の中でも、水道網の存在感は特に大きなものだと言えるでしょう。もし、水道がなくなってしまえば飲料水に困るのはもちろんのこと、衛生を保つための入浴や洗顔、歯磨き、さらに水洗トイレを使用することすらできなくなってしまいます。また、食材や調理器具、食器を洗ったり、煮込み料理などに使ったりと、水は調理にも多く使用される存在です。私たちが現代社会の利便性を維持しながら暮らしていくためには、水道が必須の存在だと言えるでしょう。

しかし、水道に関して問題になってくるのが、水道管には耐用年数が存在しているという点です。冒頭でも述べた通り、全国で使用されている水道管の中には1955年～1973年の19年間にわたる高度経済成長期に敷設されたものが数多く存在しています。最終年である1973年から数えても、高度経済成長期に設置された水道管は既に設置から50年が経過している計算です。

対して一般的な水道管の耐用年数は40年程度とされていて、この時期を過ぎてしまうと急速に劣化が進み、正常に使用できなくなってしまうリスクがあります。

現在でも使用され続けている水道管は多いことから、耐用年数を過ぎた水道管はすぐに使用できなくなってしまうわけではありません。しかし、年数を過ぎた水道管には徐々に劣化の兆候が表れていき、やがて使用し続けることができない状態にまで陥ってしまうでしょう。

老朽化による悪影響の具体的な例としては、水に赤錆が混じってしまうというケースが挙げられます。水道管の内部は専用の塗膜によって保護されていますが、経年に伴ってこの塗膜は徐々に剥がれていってしまいます。塗膜が剥がれてしまうと管の金属部と水が直接触れるようになってしまい、錆が進行することによって、水の中に赤錆が混ざるようになってしまうでしょう。また、塗膜は管そのものを保護する役割も担っているため、塗膜が剥がれた水道管は耐久性も低下してしまいます。脆弱になった水道管は漏水や破裂といったトラブルが起きやすくなり、急に水道が使えなくなるという事態を招いてしまいかねません。

老朽化してしまった水道管に対しては、順次適切な対処を行っていくことが求められます。緊急の破損に対しては、応急処置として補修工事が行われることもありますが、基本的には耐用年数が経過してしまっている水道管に対しては交換工事が望ましい施工だと言えるでしょう。

水道のメンテナンスや交換は、水道工事業者が専門的に手掛けている仕事です。重要なインフラである水道に関する施工は、自治体による認可を受けた業者にしか行うことができず、その施工には確実な信頼性とクオリティが求められます。しかし、交換しなければならない水道管の数が多く残っています。高度経済成長期に埋設された水道管は全国各地に膨大な数存在しており、それらすべてが耐用年数が過ぎてしまったままに使用されている状態です。随時交換工事が進められていますが、膨大な件数行わなければならない交換工事をカバーできるだけの水道工事業者の手が足りず、自治体ごとの予算も足りていないのが現状です。

そして、業者の手が足りないという問題については、水道CADの導入が有効な対策として役立てられています。

CADとは、「Computer Aided Design」という文字列から頭文字を取った言葉です。建設業界などで使用されるJw_CADなどの汎用二次元CADは基本的に平面図の作成を行うためのソフトですが、地面の掘削を伴う水道交換工事を行うためには、立面図がなくてはなりません。そこで数多くの業者では、水道工事専用に開発されたCADソフトの導入を進めています。水道工事に特化した機能を持つCADを導入すれば、面倒な図面作成業務を大幅に簡略化することが可能です。

弊社がリリースしている「水匠NX」の場合、水道工事に関する平面図を作成後、ワンタッチで立面図を立ち上げることも可能となっており、PC内ですべてが完結することから、図面に使用した紙の保管に頭を悩ませることもありません。従来の紙ベースでの図面作成には細かな計算が求められ、ミスをしないよう慎重な作業が必要でした。しかし水道CADを導入すればそれらの問題に頭を悩ませることがなくなり、水道交換工事の施工効率を大幅に向上させていくことができるでしょう。

ご紹介させていただいた水道専用CAD「水匠NX」は、図面作成以外にも水道工事を強力にフォローできる機能を備えています。水道工事を行う上で時間を取られてしまいがちな事務作業である申請業務にも万全のサポート機能を有しており、申請書類の作成を簡単な入力だけで済ませることが可能です。水道工事の申請は自治体ごとに仕様が異なり、確認の手間に頭を悩ませている業者様も多いかと思いますが、水匠NXは全国の自治体の申請仕様が事細かに網羅しています。各項目の入力を補助する機能も備えられており、操作性もｏｆｆｉｃｅソフトと変わりないことから、パソコンの扱いに自信がない方でも安心して利用していただけるのが大きな強みです。

人員を選ぶことなく手が空いたスタッフが負担なく事務作業を担えるようになることから、スタッフ全員の負担削減とモチベーションアップにも繋がるといえるでしょう。水匠NXの導入をご検討いただける方は、お気軽に弊社へ資料をご請求ください。