水道工事における業務委託の種類とは？

水道工事は、社会を支えるインフラに深い関わりを持っており、その需要と重要性は極めて高いです。全国各地で常に数多くの水道工事が実施されており、水道工事業者が行う数多くの施工はいずれも社会を支えるために不可欠なものだと言えるでしょう。しかし、そんな重要度の高い水道工事は、施工件数に対して施工を手掛けられる技術を持った職員の数が足りていないという業者が少なくありません。人員不足という大きな問題への解決法として活用されているのが、水道工事業界における業務委託です。

今回は、水道工事業界における業務委託の具体的な内容と、その種類について、詳しくご紹介いたします。

まず前提として、水道工事に区分される施工や関連する業務には多種多様な種類があり、公共事業として施工が行われています。一般的な水道工事としてイメージされがちなのは新たな水道設備の新設ですが、給水管や排水管の設置は、業界内において行われているさまざまな業務の一部に過ぎません。全国各地の地中に埋設されている水道管の中には高度経済成長期に設置されたものも多く、それらは本来設定された耐用年数を超過しています。老朽化した水道管をそのままにしていると、水道水に錆が混ざるなど衛生面の問題が生じたり、漏水などのトラブルのリスクが高まったりしてしまうため、これらの管の交換も重要な業務の1つです。

そしてそれ以外にも重要な業務として行われているのが、全国各地に設けられているさまざまな水道関連の設備のメンテナンス業務です。水道設備の不具合は、即座にその水道設備が影響する範囲の人々の生活に悪影響を及ぼしてしまうため、定期的な保守点検と、不具合には可及的速やかな対応を行われなければなりません。

これらの業務を自治体の業務のみでカバーすることは実質的に不可能なため、水道工事の現場では人手を確保するため、状況に応じた民間への業務委託などが行われています。

水道工事業界では前述の通り、数多くの業務委託が行われていることから、業界内における業務委託は水道法にも一部言及されています。水道工事に関する業務委託を大別すると、水道法の適用外となる一部業務委託と、水道法適用の第三者委託に区分されるのが特徴です。また、それとは別に複数の業務を委託する場合は包括業務委託という区分になり、特に下水道事業においてはこの委託の形になることも少なくありません。しかし、基本的には一部業務委託と第三者委託のいずれかに分類されるケースが多くなるでしょう。

包括業務委託を行う場合は、国交省によって定められた委託ガイドラインに従いながら業務を行うことになります。水道工事業界において業務委託を含んだ依頼に携わる場合は、発注側か受注側かに関わらず、これらの区分について明確に把握しておくことが重要となります。委託の形式が不明瞭な状態で業務を行ってしまえば、双方にとっての大きなトラブルの原因になってしまいかねません。2つの区分をはっきりと理解しておくことは円滑な業務の手助けとなり、またリスクを未然に避けるための鍵となってくれるでしょう。

水道工事業界における業務委託で代表的な一部業務委託について、詳しく見ていきましょう。一部業務委託とは、水道工事業者の管理下において、業務の一部を委託するものだと定義づけられています。水道工事は基本的に自治体によって管轄されていますが、実際の施工を自治体の水道局などが行うわけではありません。一部業務委託という形によって認可を得ている民間の水道会社へ発注が行われ、施工に関する詳細な申請が行われた上で、実際の施工が進められていくことになります。

この発注は一般的に仕様書発注となっているケースが多く、水道法上の責任はすべて水道工事業者が負うことが特徴です。一部業務委託によって施工を手掛けていく際には、あらかじめ責任の所在について正しく認識しておくことが求められます。

もう1つの主な業務委託例である、第三者委託についても見ていきましょう。第三者委託は2002年の水道法改正によって可能となった方法であり、その委託には法的責任が伴います。具体的には浄水場の運転管理業務など、水道の管理に関わる技術上の業務を一括で委託することが可能となりました。

浄水場において行われる立ち入り検査や罰則規定を含め、委託範囲の水道法上の責任は受託者が負うことになります。第三者委託では従来行われてきた施設の維持管理を委託することで、民間水道工事業者の技術力や経営ノウハウがインフラ管理に生かされる点が大きなメリットです。重要なインフラ施設の管理体制が強化され、加えてコスト縮減が行われることによって、社会基盤の安定化を図ることができます。自治体の財政負担が軽減されることによって、住環境の改善に繋がると見込まれています。

反面、災害時のバックアップが遅れる可能性などは指摘されており、業務委託という形で水道に関する設備を運用していくためには、非常時に備えた体制を強く意識していかなければなりません。

さまざまな施工が行われていく水道工事の現場では、業務の効率化が常に求められています。施工において要となるのが施工図面であり、水道工事の現場では平面図や立面図を中心に、多彩な図面が用いられていくのが特徴です。図面の作成には多くの手間がかかってしまいますが、そんな図面作成をはじめとする各種事務作業を大幅にサポートすることができるのが「水匠NX」です。

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