簡易水道の定義と工事におけるCADの活用

現代社会を支えるインフラには、電気・ガス・道路・鉄道などのさまざまな種類が存在しています。各種インフラが1つでも欠けてしまうと社会は成り立たなくなり、人々の生活基盤が崩れてしまうため、非常に重要な存在です。そんなインフラの中でも特に重要度が高く、私たちが生きていくために必要不可欠なのが水道です。生命を維持し、衛生的に生活していくためには、毎日のように大量かつ清潔な水の供給を受ける必要があります。そんな水道設備の中で、水道工事を手掛けていく際に理解しなければいけないのが、簡易水道に分類される設備についてです。

この記事では、水道工事に携わる方に向けて、簡易水道の概要と施工におけるCADの活用についてご紹介いたします。

簡易水道の正確な定義について見てみましょう。まず、簡易水道と同じ役割を持ち、比較対象となる存在は上水道です。上水道は水道のうち、清潔な水の供給を行うための設備であり、水質管理を行うための設備である浄水場と水道本管を介して繋がっています。水道本管から送られてきた水を供給するための水道のうち、その水道から給水を受ける計画給水人口が5,000人を越えるものが上水道です。

対して簡易水道とは、この計画給水人口が5,000人以下のものを指しています。清潔な水の供給を行うための水道設備であるという点については上水道と変わらず、水道料金も同一となっているため、水道を利用していく上で違いを感じる場面は多くありません。基本的に上水道か簡易水道かという違いは、管理を行っている自治体と、水道工事を手掛けていく施工業者に影響する要素だと言えるでしょう。

なお、簡易水道と混同してしまいやすい言葉に簡易専用水道というものがあります。これは受水槽を用いて貯水槽水道で飲用水などの供給を行うための設備ですが、簡易水道とは異なるため、混同しないよう注意しましょう。

上水道と簡易水道には、役割や機能に関する違いはありません。両者の違いはあくまでその供給の規模のみであり、水道としての用途は全く同じであると言えるでしょう。どちらも厚生労働大臣の認可を得て市町村によって経営されている事業であり、一定の区域を給水区域として設定した公益事業であるとされています。

市区町村による経営が行われているのは、地域の実情に即した経営が行われることが最適という判断に基づいています。簡易水道を設けずに、より広域の管理ですべてを賄おうとすれば、1つ1つの水道の管理が行き届かなくなってしまいかねません。水道は清潔な水を供給するための設備であるため、常に適切な状態に管理されていくことが必須であり、管理を徹底するためには簡易水道という区分が欠かせません。

簡易水道と上水道は管理していくための区分として呼び分けられていますが、水道としての構造については大きく変わりがありません。水道本管を介して運ばれてくる清潔な水を各家庭などの水道につなぎ、蛇口をひねることで水の供給を受けられるという仕組みが構築されています。

一方、制度面の仕組みについては上水道と若干の違いがあります。前述の通り、水道の管理は各自治体によって行われるものであり、基本的にその費用は独立採算で賄われているのが特徴です。しかし、簡易水道は利用者の数が限られることから、水道としての収益だけでは運営していくことができない場合があります。その問題点を解消し、人口の少ない地域でもインフラを成り立たせていくために、簡易水道については国からの補助金などを利用することが可能です。補助金を利用して財源を確保することで、簡易水道を維持するという仕組みが成り立っています。

簡易水道工事は給水人口が少ない地域で行われるため、施工が行われる土地が都市部ではないケースが多いです。そのため、都市部における施工に比べて、高低差といった施工に手間がかかる地形での施工となる場合も多く、現場全体を管理するための図面の重要性が非常に高いです。

そんな複雑な現場における図面を適切に作成するために、CADが役立ちます。CADによって図面作成を行えば、線のズレや作図に伴うミスなどが起きにくく、より信頼性の高い図面作成が可能となるでしょう。小さな誤差でも水道工事においては大きなトラブルに繋がってしまうリスクがあるため、信頼性の高い図面は心強い存在です。また、CADで作成された図面データは現場との共有なども行いやすく、細かく図面をチェックしながら正確な施工を進めていきやすくなります。簡易水道工事は場所によっては不具合があった場合のメンテナンスに時間がかかってしまう場合もあり、できるだけ万全な形で施工が行われることが望ましいと言えます。

安心して利用できる簡易水道を作るためには、CADの活用が大きく役立ってくれるでしょう。

水道工事の図面作成にはCADの利用が有効的ですが、どのCADを採用すれば良いか悩む方が多くいらっしゃいます。水道工事は、地下に埋設されている水道管を地上に繋げていく施工が行われるのが特徴です。そのため、仮に無料で配布されている汎用二次元CADなどを使用した場合、平面図を作成することはできても立面図の作成に適していないため、水道工事の場面では利用しにくいかもしれません。

その際には、弊社が提供している水道工事専用CADシステム「水匠NX」が役立ちます。水匠NXは、水道工事の業務サポートに特化した機能を備えており、業務を効率的にすることが可能です。AIが搭載されていることが特徴であり、平面図や立面図の作成をバックアップし、迅速かつ正確な図面作成が実現できます。

さらに、水道工事に欠かせない拾い出しや積算、申請書類の作成などの事務作業についても、強力にサポートしています。AI搭載のCADと聞くと、操作が複雑なイメージを持たれるかもしれませんが、Officeソフトと変わらない簡単な操作で利用できるため、安心して導入できるでしょう。

また、わからないことがあればいつでもお尋ねいただける万全な体制を整えております。水匠NXに関心をお持ちいただけましたら、お気軽に詳細な資料をご請求ください。